晴耕雨読[23]本が手に入らない話/福間晴耕

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この前、散歩していて昔よく寄った本屋さんの側を通ったら、いつの間にか閉店していた。街の本屋さんだけではなく、最近は紀伊国屋書店新宿南店の縮小や、新宿三越にあったジュンク堂の閉店など、大型書店の閉店の話をよく聞く。

このように少しずつ本屋さんが周りから減ってきたような気がするが、みんなは何処で本を買っているだろうか?




幸い自分の住んでいるところは都市部なので、それでも本屋さんは近所にあるし、雑誌などならコンビニで買うという手もある。しかしちょっとマイナーな本になるとコンビニはもとより小さな書店には置いてないし、まして専門書となると絶望的だ。

そんな訳で最近はAmazonで買うことが多いのだが、一部の本を除いて中身を確認出来ないし、何よりも本屋でありがちなブラブラと店内を歩いて、たまたま面白い本を見つけるという醍醐味がないのは物足りない。

もちろんAmazonでは、おすすめ機能でこれまで買った本の傾向から勝手にお勧めの本を見つけ出してくるという機能があるが(これが意外と侮れなくて結構面白い本を見つけてくる)、好きな物ばかり食べて偏食になるように、自分の好みを元にしていると、いつの間にか偏ったものばかりになってしまいそうで心配だ。

何よりも、過去の自分の買った本の履歴が残るのが嫌だという人も多いだろう。

そんな事もあり、更に本を読む時間がいつの間にかネットに食われているせいもあって、いつの間にか本自体を買うペースも落ちてきたような気がする。

そして、もう一つ本に関わる悩みとしては、いざ欲しい本があってもなかなか手に入らない事である。

確かに書店で予約をしたり、Amazonなどを使えば出版されている大抵の本なら手に入りそうな気がするのだが、意外にもけっこう色んな本を手に入れ損なっている。

一つは出版不況のせいなのか、最初に刷ってしまうとよほどの事がない限り増刷がかからない事だろう。特にマイナーな雑誌や、専門書は在庫が切れてしまうと増刷は絶望的なので、初版を逃してしまうとまず手に入らない。

また、たとえ多くの部数が出てても、週刊誌などは前の号を刷り直す事はまずないので、ある雑誌に載った凄く面白い記事や特集があったら、見つけた時に買わなければならない訳だ。

そして、最近多いのは逆にあまりに話題になってしまうと、需要が供給を遥かに上回ってしまい、いつまで経っても品薄で手に入らないと言うケースである。

それでも本は比較的増刷し易いのでまだましだが、これが再生産に時間のかかる模型や玩具になると、時間をかけて増産したころにはブームが終わって、巨大な在庫を抱えるリスクがあるせいもあって(余談だがバンダイは初代たまごっちでこのパターンにはまって大赤字を出した)増産してもホンの少しずつだったりして、何時までたっても品薄が解消されないのである。

最近では日本会議と自民党や安倍政権との関係、宗教団体関係者とのつながりなどをまとめた「日本会議の研究」(http://www.amazon.co.jp/dp/4594074766)がこのパターンで、更に書かれた日本会議が日本会議事務総長の名義で扶桑社に申し入れをしたせいもあって、出版停止になるという噂まで流れてますます手に入らないというパターンになっている。

そんな訳で、最近ではとりあえず気になった本は買うという事にしているのだが、相変わらずネットに時間を吸い取られる状態が改善しなせいもあって、ますます積読が増えてしまっている。


【福間晴耕/デザイナー】

フリーランスのCG及びテクニカルライター/フォトグラファー/Webデザイナー
http://fukuma.way-nifty.com/

HOBBY:Computerによるアニメーションと絵描き、写真(主にモノクローム)を撮ることと見ること(あと暗室作業も好きです)。おいしい酒(主に日本酒)を飲みおいしい食事をすること。もう仕事ではなくなったので、インテリアを見たりするのも好きかもしれない。