グラフィック薄氷大魔王[476]Apple Pencilの先端を尖らせてみた/吉井 宏

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●Apple Pencilの先端を尖らせてみた

iPad Pro+Pencilで、そういえば今までなぜそれを試してなかったんだろう的なことをやってみた。ペン先端の丸みをサンドペーパーで削って尖らせてみた。
http://www.yoshii.com/dgcr/pencil-P5112470.jpg

良い! ビニールやクリアファイルなどを敷いてる場合は特に良い。先端が丸いままだと中途半端な摩擦が安定しなかったけど、尖らせると安定した摩擦で描きやすい。

iPad Pro買って以来初めて、紙と同等以上な感じに描けてる気がする。

あと、何も敷かずにガラス表面に直接描く場合でも、摩擦が出やすい。従来、かなり強く描くと摩擦が出るのは知ってたけど、それほど強く描かなくてもあのしっとりとした摩擦が出てくる。

削りすぎると先端の内側に金属のパーツが露出してくるっぽいので注意。ペン先は普通に売ってるのでどんどん消耗で大丈夫。それでも、Apple純正でエラストマー芯(軟らかい樹脂)はほしいなあ。
http://apple.co/1Wn7Tya



●iPadでマスクを使う

iPad Pro+Pencil。先端を削って尖らせたら非常に描きやすくなったのに、画面に手を置くとぺったりと固定されてしまって、自由に動かせないのが不快。

そのために液晶タブレット用の指出し手袋が売ってるんだけど、わざわざ買うのが面倒。何か代用になるものないかと探したら、マスクがちょうどいいw

ゴム紐でゆるく手首に固定できるしね。大人用のLサイズなので大きすぎるけど、幼児用のマスクならちょうどよさそう。
http://www.yoshii.com/dgcr/mask-P5112472.jpg

手が自由に動かせると肩で描けるんだよ! 今まで液タブ含めて描きにくかったのは手が動かせなかったのが大きいかも。

もっと手軽な方法。画面と接触する掌部分に、セロテープかマスキングテープを貼る。小指の関節だけで済む場合も。テニスのリストバンドもときたま使いますけど、いいですよ。

参考。『イラスト描くなら「2本指グローブ」をつけるべき!』
http://matome.naver.jp/odai/2142716165761097001

●intuos Sサイズとプレシジョンモード

MacBook Pro 15+intuos Sサイズ。普通に使うと狭い。プレシジョンモードなら快適に描けるけど、モードの範囲(画面で白く見える部分)が非常に狭くて窮屈。ハガキサイズくらいしかない。

で、今までは「狭い範囲内に描く」ってことに気を取られてた。範囲は手/ペンを動かせる範囲を示してるにすぎなくて、グレーの範囲にその周囲が全部見えてるじゃん。そう捉えて描くと、狭さが気にならなくなった。
http://www.yoshii.com/dgcr/intuos_s_precisionmode.jpg

おまけに、intuos Sサイズだとプレシジョンモードの狭い範囲内で描く分には、ほとんど腕を動かさずに指先だけで描ける。

左にキーボードを押せる位置に手を置くスペースが空けられるし。左手親指でタブレットボタンを押してプレシジョンモードに切り替えられるので、キーボードショートカットに備えた手の形のままでイケてラク。
http://www.yoshii.com/dgcr/intuos5s-MBP15.jpg

これに慣れてしまえたらいいな。少なくとも、MBPを持ち出して仕事する場合、intuos Sサイズでぜんぜん十分。

●鉛筆見直しとエアーパッドプロIII

ペンタブに悩みまくる一方で、紙へのドローイングはやはりどう考えても単純で良い。先日からまた大量のアイディアスケッチを描いてる。

いつもは筆記具や紙がマチマチ状態だけど、今回はコピー用紙より摩擦がある「連続伝票用紙」と、イーグルカラーの色鉛筆だけを使ってた。最初は調子いいんだけど、何十枚も描いてるうちに、筆圧疲れと摩擦疲れでかなりしんどくなってくる。

そこで、普通の鉛筆を使ってみたところ、滑りがよくて描きやすいね! アニメーターとかの大量に絵を描く人が鉛筆を使い続けるわけがわかった気がする。こりゃラクだわ。鉛筆は滑りすぎるので苦手と思い込んでた。

調子に乗ったところで「紙が凹むと描きやすい」を思い出した。

フカフカのマウスパッド、エアーパッドプロIIIを敷いて使ってたときは、余計な力を吸収してくれるので力任せにガシガシ描いても大丈夫だった。せっかく大きいエアーパッドを買ったのに、飽きた頃に切り刻んで小さくしちゃった。

で、エアーパッドプロIIIを再び入手。紙を載せて描いてみると、信じられないほど描きやすい。しばらく忘れてたけど、やはり「紙が凹むと描きやすい」!

あと、ペンタブ用でも似たような効果があるスプリング芯が復活。以前はめちゃくちゃ描きやすいと思ってたけど、ある時から苦手になった。最近はまた描きやすく感じる。好みってどんどん変わるなあ。


【吉井 宏/イラストレーター】
HP  http://www.yoshii.com
Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/

いろんな方法を試すけど、ほとんど忘れちゃってる。その時にスゲー! って
思ったことは一応、価値があるんだなあ。

・ショップジャパンのキャラクター「WOWくん」
https://shopjapan.com/wow_kun/

・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500

・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii

・rinkakの3Dプリント作品ショップ
https://www.rinkak.com/jp/shop/hiroshiyoshii


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編集後記(05/25)

●今度は「下流老人」だって(藤田孝典、2015)。サブタイトルは「一億総老後崩壊の衝撃」。帯には「年収400万でも将来、生活保護レベルの暮らしに!?」と煽りまくる。下流老人とは、文字通り、普通に暮らすことのできない「下流」の生活を強いられている老人を意味する、筆者の造語だという。その定義は、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」である。収入が著しく少ない、充分な貯蓄がない、頼れる人がいない、という「3ない」が具体的な指標だ。筆者は12年間、生活困窮者支援を行うNPO法人の活動に携わってきた経験から、下流老人の現実とその問題点を探るという。

下流老人とはなにか/下流老人の現実/誰もがなり得る下流老人/「努力論」「自己責任論」があなたを殺す日/制度疲労と無策が生む下流老人/自分でできる自己防衛策/一億総老後崩壊を防ぐために、というわかりやすい章立てで、論文としていい出来のような気がする。彼の法人に相談に来る貧困を抱える65歳以上の高齢者は、異口同音に「老後の貧困は想定外だった」と訴える。それは違う、下流老人はあらかじめ生まれることが決まっているものだ、と彼は断言する。下流老人の問題は、そもそも社会保障制度や社会システムの不備であり、周囲がどう手を差し伸べるか、という問題だという。違和感がムラムラ。

生活保護バッシングに見る「甘え」を許さない社会、自己責任論の矛盾と危うさ、という見出しから彼が主張したいことはほぼわかる。「財源が豊富にある場合の理想論だといわれるかもしれないが、その理想を追求するのが政治、そしてわたしたちの役割である」「正すべきは過度に経済優先の社会システムであり、ひいては人間疎外に慣らされたわたしたちの意識と感情である」。そう、よくある平凡な主張だ。筆者の示す具体的な提案は、生活保護制度を正しく知って利用しようというだけで、これほどわかりやすく生活保護利用ノウハウを示した本に初めて出会った。社会保障を受けることは権利である、と強調する。

そして受援力を身につけよ、という。それは「支援される側が支援する側の力をうまく生かし、生活の再建に役立てる能力」だという。おいおい、ひたすら国や社会に依存せよというのか。生活保護の申請拡大による財源はどこにあるんだ。それと、おなじみの「つながり」の強調だ(財源いらないし)。建設的で具体的な提案が全然ない。「下流老人問題に声を上げるか否かは、当事者や市民次第である」。市民って? 嗚呼お里が知れる。そもそも「下流老人問題」って筆者の「発明」ではないのか。版元を見ると朝日新聞出版とある。じゃあ仕方ないな。煽るだけ煽って生活保護に頼れか、ダメダメ論文であった。 (柴田)

「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」
http://www.amazon.co.jp/dp/4022736208/dgcrcom-22/


●Parallels Desktop内のWindows7を10にアップグレードした。8は購入していたものの一度もインストールせず。お客さんは7の人が多かったからだ。

10は無償期間が切られているし、自動アップグレードされるとのことだったので、じゃあお客さんも10が多くなりそうだなと。

後で知ったが、一度全部をダウンロードしてからのインストール作業が一番早いそうだ。私は直接アップグレードさせた。寝る前に仕掛けて、朝起きても終わっていなかった。もう一度やってみたがなかなか進まない。

結論としては、更新がたまっていたせい。普段使っていないOSだったので、重要なプログラムだの何だのが80近くあった。それらを全部更新させた後、アップグレードをかけたら、止まらずに2時間ぐらいで終了した。なかなか進まないという方は、更新プログラムのチェックを〜。

/「普通の鉛筆を使ってみたところ」で思い出した。鉛筆シャープ。1.3mm芯のがあって、2Bで試し書きしたら、久しぶりの書き味が楽しいのなんの。今の小学生をうらやましいと思った。

欲しいと思ったが使い道がなかった。受験生ならマークシートに使えそう。そういやトンボMONOの芯ホルダーを持っているのであった……。

小学生向きのはボディが柔らかく、少し太めの六角形で、触ってて楽しかったのよ〜。 (hammer.mule)

「Windows 10」アップグレードのキャンセル方法をMicrosoftが公開
http://www.gizmodo.jp/2016/05/_windows_10microsoft.html

一本指のグローブもあるのね
http://www.amazon.co.jp/dp/B00NNCLTH0/dgcrcom-22/

二本指。左利きの人でも使える
http://www.amazon.co.jp/dp/B01C3MST64/dgcrcom-22/

ジュニアペンシル(鉛筆シャープ)。1.3mm芯。
http://www.amazon.co.jp/dp/B004ISI5RK/dgcrcom-22/
ソフトな素材(エラストマー樹脂)でコーティング

0.2mm芯って……。試し書きしようとしたがサンプルがなかった
http://www.amazon.co.jp/dp/B019U2V96W/dgcrcom-22/