[4139] ソクラテスになるか豚になるか

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《たまーにプチ贅沢したい気分になったときに》

■ Otaku ワールドへようこそ![235]
 ソクラテスになるか豚になるか
 GrowHair




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■ Otaku ワールドへようこそ![235]
ソクラテスになるか豚になるか

GrowHair
https://bn.dgcr.com/archives/20160610140100.html

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人間、大人になるにつれて、関心対象が夢想的なほうから現実的なほうへと寄っていくものらしい。

子供が運動会で三人ごぼう抜きしたとか。検査で尿酸値が高いと出たので、プリン体含有量の多い食べ物を控えなきゃとか。

頼みもしないのに、パソコンのOSが勝手にアップグレードして困るとか。燃費不正がバレた自動車メーカーの株を空売りして儲けようとしたら、別のメーカーが助け舟を出してきたんで青ざめてるとか。

どこぞの知事は、公費を使ってぜいたく三昧の外遊をしてけしからんとか。清純そうなイメージで売ってたタレントが、実はバンドのボーカルと不倫してたとか。

まあ、そういうほうへ関心が行きがちなのは仕方がないか。じゃあ、逆に、いい歳こいていながら見果てぬ夢を追い続けたりしているのは、精神的に大人になりきれてない証拠なのだろうか。

ツチノコを捕まえに、今度の週末は岐阜へ行くぞとか。新星を発見して自分の名前をつけるべく、寸暇を惜しんで望遠鏡に張りついてようとか。

永久機関を発明して特許を取得し、一攫千金を果たすべく、日々研究に勤しんでるとか。超能力は鍛えれば高められるはずだと、日々トレーニングに励んでるとか。

詩を書いて、応援するアイドルに送り続けているとか。教祖になって衆生を救うべく、宇宙の真理探究のために瞑想に耽っているとか。

まあ、それも否定はしきれないか。人間たるもの、社会的に生きるという心がけが少しはないと駄目なようで。

しかし、これだけは声を大にして言いたい。

人類に与えられた特権のひとつとして、抽象思考の能力がある。それを使わずして、形而下的な損得や快楽の原理によってのみ生きるのは、人間であることを放棄した堕落の所業である。

子育てぐらい犬や猫だってする。大変なのは分かるけど、そんなの偉くもなんともない。

日々の生活において、眼前に繰り広げられる雑多な現象をその場限りのものとして流し去るのではなく、抽象の高みの視点から俯瞰して、共通に横たわる法則性を編み出そうとする指向をもつのが人間である。

おかげで、自然のなすがままに身をゆだねて送る原始生活から脱却し、みずから工夫して自然を利用する技術を獲得し、生活を向上させてきた。

また、現実にある姿からいったん離れて、仮定の上で、一段レベルの上がった姿を想像する能力が備わっているのが人間である。

ものごとが、もしこういうふうであったらいいなぁ。自分に、もしこんなことができたらいいなぁ。それが、これから自分の進歩していこうとする方向を決定づける。

生活のコマゴマした事象の諸々を現実のすべてだと思い込み、それのみに生きることによって、変に大人ぶった態度でいるのは、私から見れば、むしろ動物的である。

現実という名の狭い牢獄の外側には、可能性という名の果てしない空間が広がっている。人間として生を受けたことの利を最大限に生かし、至上の喜びを味わおうというのであれば、現実の呪縛から解き放たれて、抽象世界で自由にのびのびと遊ぶことである。

ただし、食うことだけは別である。いかに抽象世界で我を忘れて遊んでいようとも、目の前にちょいとばかり美味い酒と肴が出てこようものなら、もう勝手に尻尾が振れてくるのを抑えきれない。

ジョン・スチュアート・ミルは言った。

「満足な豚であるより、不満足な人間である方が良い。同じく、満足な愚者であるより、不満足なソクラテスである方が良い」。

まさにその通りである。けど、気づくとついつい豚になってるんだなぁ、これが。そういうわけで、今回は、不満足なソクラテスをも幸せな豚に変えてしまう、とっておきのお店をいくつかご紹介しよう。

●食にうるさいほうではない

私はいわゆる美食家ではない。この世で一番美味いものを求めて、金に糸目をつけず、世界の隅々まで食い歩くことに道を見出している、なんて生き方をしているわけではない。

赤ワインはどこ産の何年ものがいいとか、そういうの、よく分からん。居酒屋で出てくる、産地も銘柄も分からない、一杯380円のグラスワインで、天の恩寵たる至福の喜びを賜ることができる。焼酎を無果汁のぶどうジュースで割ったものを、ワインと偽って出されても、おそらく気がつかない。

オマール海老とか河豚とかフォアグラとかキャビアとか、高級食材とはほぼ縁がなく、ごくたまーに食する機会にあずかれたとしても、ありがたみを食ってるようなもんで、味のよさを心底から愛でてるほどでもない。

どちらかというと、永谷園のさけ茶づけとか、インスタントのサッポロ一番みそラーメンなどをしみじみ美味いなぁ、と思っちゃったりするほうである。

私は自分で料理をしない。冷蔵庫すらない。コンビニがウチの冷蔵庫である。災害が起きたりしたときは、食べ物を取りに行かなくてはならないが、もし店員さんがいなかったら、カウンターにお金を置いてくれば略奪とはみなされないだろうか。

そういうわけで、飲食店でどんなものが出されても、自分で作ったほうがまだマシなもんができるぞ、と思うことは決してない。どんなものでもおいしくいただくことで、いちおう整合性がとれていると思っている。

そんな私だが、たまーにプチ贅沢したい気分になることがある。

「自分へのご褒美」などという表現で無理やり美化してもいいけど、ちょっとめでたい気分のとき、誰も祝ってくれないから、しょうがなく自分で、というときがある。仕事のプレゼンやイベントのステージが、つつがなくこなせたときなどである。

なんか美味いもんでも食いに行くか。そういうとき、お茶づけやインスタントラーメンよりは、ちょっとだけ特別感があるものがいい。

●「えぞ菊 戸塚店」(西早稲田)
http://tabelog.com/tokyo/A1305/A130504/13000053/


【こんなお店】

いつからあったか知らないが、30年前にはすでにあった。野菜が主体の出汁でありながら、濃厚な風味。

【これがお薦め】

(1)味噌ラーメン …… 800円
(2)野菜 …… 100円
(3)バター …… 50円

【こう楽しもう】

これぞ味噌ラーメン! 決定版と思う。挽肉を混ぜて炒められたシャッキリしたもやしがどかっと盛られている。トッピングに野菜を注文すると、これがさらに大盛りとなり、麺を掘り出すまでが大変。

でかい寸胴で、玉ねぎや人参が丸ごと煮られている。濃厚だが、昔よりは味がややおとなしくなった気がする。

おろし生にんにくが円筒プラスチック容器に入ってテーブルに置かれており、私はスプーン3杯取って、正三角形の頂点にぽとっと落として溶かし込む。

美味いもんをたっぷり食ったぞーという幸福感をもたらしてくれる。大学時代、よく食べに行った。最近、またよく食べに行く。全部のせの「ヤングラーメン」を若いうちに食べておこうと思いつつ、果たせなかった。

●「末廣ラーメン本舗 高田馬場分店」
http://www.fukumaru.info/suehiro/


【こんなお店】

高田馬場駅から早稲田通りを東へ徒歩6分、左側にある中華そば屋。昭和13年に屋台として始まった、京都の中華そば専門店の東京分店。色の濃い醤油系スープの表面には脂がギラッと。輪切りのネギがどっさり出てきて、盛り放題。

【これがお薦め】

(1)末廣中華そば(大)…… 700円
(2)ヤキメシ黄身のせ …… 610円

【こう楽しもう】

京都のラーメン屋には、お客さん一人ずつに輪切りのネギがざるにどっさり盛られて出され、盛り放題というところがよくある。東京ではあまり見かけないので、このお店はたいへん貴重。お店のたたずまいも、ラーメンの外見も味も、まさに昭和。ラーメンというよりは「中華そば」と呼ぶにふさわしい。

末廣中華そばは、並盛りも大盛りも値段が変わらない。ならば大盛りがいい。大きいことはいいことだ。さらにヤキメシもと欲張ると、ものすごく満腹になり、ちと苦しい。

●「タイ国ラーメン ティーヌン西早稲田本店」
http://www.tinun.jp/tinun_waseda.html


【こんなお店】

明治通りと早稲田通りとの交差点から東へ徒歩で3分行った右側にあるタイ料理のお店。店構えはラーメン屋で、カウンターのみの10席ほど。15年ほど前は強烈に辛いトムヤムクンラーメンを出していたが、最近はずいぶんマイルドになった。頼めばいくらでも辛くしてもらえるけど。

【これがお薦め】

(1)トムヤムクンラーメン …… 780円
(2)空心菜 辛口炒め …… 930円

【こう楽しもう】

空心菜炒めの汁が美味くて美味くて。醤油系の辛い汁に、微塵に刻んだニンニク片などが入っている。最後に皿に残ったのをすすって飲んじゃう。味、めちゃめちゃ濃くて、飲むもんじゃないけど。

早稲田駅から早稲田通りを明治通りまで行くまでの間の左側に、タイ料理屋が三軒あるタイ料理激戦区。特に「トゥンテン」まではものの1分とかからない。

このお店はカウンターだけのふつうのラーメン屋。メニューの品数もそんなに多くない。トゥンテンのほうは、豪華で美しい内装のレストラン。品数が豊富だ。落ち着いた雰囲気で、長居できる。味も悪くない。

けど、同じ品目で比べたら、ティーヌンのほうが勝っていると私は思う。

●「博多名物 しろ味噌もつ鍋 もつ真路 高田馬場店」
http://motsumaro.com/


【こんなお店】

高田馬場駅から早稲田通りを東へ徒歩で5分行った左側にあるもつ鍋のお店。格調高い和風の内装。ここが本店。フランチャイズの他店は雰囲気も味も異なる場合があるので、味を求めるなら本店へ。

【これがお薦め】

(1)博多名物 しろ味噌もつ鍋 …… 1,249円(税抜)
(2)酢モツ …… 399円(税込)

【こう楽しもう】

早稲田通りを高田馬場駅から明治通りまで行く間に、左側にもつ鍋のお店が三店舗あるもつ激戦区。「木村屋本店 高田馬場駅前」、「博多道場 高田馬場」と来て、このお店。もつ鍋の味は、このお店のが僅差ながら抜きん出るかな。雰囲気も落ち着くし。

●「やきとり・串焼 かめや 高田馬場店」
http://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13009116/


【こんなお店】

焼き鳥屋なんてそこらにいくらでもあり、焼き鳥は大衆的な食べ物というイメージが定着している。けど、ここのは違う。何かが違う。後光の差す如来さまみたいなありがたみをまとっている。一番美味い焼き鳥を意識して、ていねいに作りました、って感じが出ているのである。で、美味い。しかも値段はそんなに高くない。自信をもって人をお連れすることができる。

【これがお薦め】

(1)鳥わさ
(2)ナンコツ唐揚げ

【こう楽しもう】

6月8日(水)に初めて入ったお店。6月5日(日)に「神屋流博多道場」へ入ろうとしていると、株式会社ゲットの後藤氏が自転車で通りがかって、声をかけてきた。中野近辺の飲食店を紹介する不定期発行の無料冊子「中野でやろう!」の営業担当の人である。最近は高田馬場や高円寺にも手を広げている。

ちょうどいいので、おいしい店を聞いてみた。そしたら教えてくれたのがこのお店である。6月7日(火)、「末廣」でラーメンを食べた後、場所だけ確認しておこうとお店の前まで来たところで、また会っちゃった。

「いやぁ、ここまで来たら、ついつい塚田農場のほうに入っちゃうけどなぁ」。「塚田農場なんてどこにでもあるじゃん。まあ、入ってみんしゃい」。「じゃあ明日行くよ」。

なるほど。串焼き6本、鳥唐揚げ、ナンコツ唐揚げ、鳥わさ、キャベツと、がんがん注文。美味いので、いろいろ試したくなっちゃったのである。グラス赤ワインを3杯も。満腹。へべれけ。

こういうところでこんなに頼むと一万円を超えてもおかしくないぞ、と会計のときちょっとドキドキしたが、3,800 円だった。

関係ないけど、以前、原宿で道行く女の子に声をかけて、写真を撮らせてもらっていると、ストリートファッション系の写真誌「FRUiTS」の記者とよく遭遇した。

●「カリーライス専門店エチオピア 高田馬場店」
http://www.ethiopia-curry.com/


【こんなお店】

明治通りと早稲田通りとの交差点北東角から東へ3軒目にあるカレー専門店。

【これがお薦め】

(1)チキンカリー …… 900円
(2)グリーンサラダ …… 180円

【こう楽しもう】

店の前をよく通りがかり、ずっと気になっていた。「中野でやろう!」の後藤氏がこのお店を薦めてくれて、うわ、やっぱり美味いかぁ、ってなった。で、6月9日(木)に初めて行ってきた。って、この原稿の締め切り、過ぎとるやん。

香辛料の香りが、初めて経験するものだった。ここでしか味わえないものとなると、今なら利便性いいからしょっちゅう行けばいいけど、引っ越したり職場が変わったりしたら、その後がたいへんなことになりそう。

●「新成都 高田馬場店」
http://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13010896/


【こんなお店】

明治通りと早稲田通りとの交差点南西角にある四川料理のお店。四川料理は辛いことで知られるが、初めて入る日本人には手加減してくるので、本場の味を求めるなら「手加減なしで」と言おう。

【これがお薦め】

(1)四川本場タンタン麺 …… 700円

【こう楽しもう】

こんな本格的な四川料理のお店でさえ、串串香は置いてなかった。また成都行きたいよぉ!

●和食「華屋与兵衛 高田馬場店」
http://www.hanayayohei.co.jp/


【こんなお店】

明治通りと早稲田通りとの交差点北西角にある和食のお店。店構えはファミレス。照明が明るい。気軽に入れるが、料理は割と本格的。

【これがお薦め】

(1)しゃぶしゃぶ食べ放題 牛豚ベーシックコース …… 2,680円+税
(2)松花堂御膳 …… 1,780円+税

【こう楽しもう】

プチ贅沢したい気分のとき、しゃぶしゃぶ食べ放題がいい。ベーシックコースでも野菜の具がついてくるので、これだけで十分。プレミアムコースだと、さらに天ぷらや鶏唐揚げや茶わん蒸しやざるそばが食べ放題。

2時間限定だが、時間の限界よりも食える量の限界が先に来る。ついつい限界まで腹に詰め込んで、すごい満足感。

あるいは、御膳などをゆっくりいただきながら、本を読んで過ごすのもよい。照明が明るいし、席間がゆったりしているので、落ち着いて読める。気軽な雰囲気なので、食いながら読むお行儀の悪さは許していただく。

●「本格四川料理 蜀湘苑」(高田馬場)
http://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13188573/


【こんなお店】

高田馬場さかえ通りのやや奥のほう左側にあるビルの二階にある中華料理のお店。モツ系など、食材が豊富。

【これがお薦め】

(1)豚ガツのピリ辛炒め …… 1,480円
(2)砂肝和え …… 680円
(3)牛のペニスの土鍋煮 …… 1,680円
(4)特製ホルモンの唐辛子鍋煮 …… 1,280円

【こう楽しもう】

同じビルの三階から上は風俗店っぽくて、下にはニイチャンが立ってたりして、ビル自体にちょっと入りづらい雰囲気があるが、そこはひるまずに振り切ろう。割と最近オープンしたような気がする。モツ系の辛いものが食べたくなったら、ここ。

●「座・麻婆唐府 高田馬場本店」
http://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13043128/


【こんなお店】

高田馬場駅から早稲田通りを予備校側へ、坂を少し上がった左側。店は角地にあるが、入口は路地をちょっと入った薄暗いところに下へ降りていく階段があり、ちょっと隠れ家っぽい。

【これがお薦め】

(1)牛の胃袋の山椒入り辛子ソース和え …… 680円
(2)空心菜炒め …… 980円
(3)自家製・焼き餃子(6個) …… 480円

【こう楽しもう】

エスニックな香辛料を効かせた味付けが絶妙で、とてつもない辛さに悶絶しながらも、じっくり味わえる。

●「焼き鳥・鶏料理 さいたどう」(高田馬場)
http://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13049027/


【こんなお店】

高田馬場駅の予備校側にある焼き鳥・鶏料理のお店。入口にでかでかと「高田馬場で一番うまい焼き鳥屋」と掲げている。「どれどれ」と入ってみたくなるではないか。実際、美味い。

【これがお薦め】

(1)地鶏・阿波尾鶏の岩盤たたき …… 980円

【こう楽しもう】

焼き鳥各種もうまいけど、岩盤たたきがおもしろい。熱い石の上で鶏肉がじゅうじゅう焼かれて出てくる。なんか小気味よい。

●「個室居酒屋 赤鶏御殿 高田馬場駅前店」
http://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13138454/


【こんなお店】

高田馬場駅早稲田口、ロータリー向かいの道を右へ少しだけ坂を登った左側にあるビルの7階にある鶏料理のお店。三代目若乃花がプロデュースしている。「赤鶏」と書いて「せきとり」と読む。個室に仕切られているので密会に便利。

【これがお薦め】

(1)麓鶏の唐揚げ …… 679円
(2)麓鶏膝軟骨唐揚げ …… 679円
(3)麓鶏の鶏皮ポン酢 …… 299円
(4)グラスワイン赤 …… 399円

【こう楽しもう】

グラスワイン赤が非常に美味いと感じた。銘柄を聞いたけど、教えてもらえなかった。

●「鳥修」(西武新宿)
http://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13092031/


【こんなお店】

歌舞伎町の裏手、職安通りの近くにある、明治35年創業の食鳥鶏卵卸問屋直営のお店。

【これがお薦め】

(1)焼き鳥各種
(2)モツ煮込み

【こう楽しもう】

店主に聞くと歌舞伎町の歴史を教えてくれる。新宿駅前に大きな食糧市場があったとか。雨が降ると道がぬかるんでたとか。

新宿の大ガードの西側にある「思い出横丁」で入った焼き鳥屋が、期待したほどではなかった。ちゃんとしたお店を開拓せねばと歩き回って見つけたところ。「明治35年創業」と掲げているのに惹かれて入ってみれば、大当たり。

●「ピザとパスタの店 マイアミガーデン 新宿歌舞伎町セントラルロード店」
http://miami-garden.jp/shop_shinjyuku.html


【こんなお店】

チェーン店で、あちこちでよく見かけるお店。ちょっとオシャレな雰囲気で、女性客が多い。

【これがお薦め】

(1)きのこのバター醤油スープパスタ …… 900円
(2)イタリアンサラダ …… 710円

【こう楽しもう】

新宿にいて、豪華ではなくていいから美味いもん食べて帰りたいなーという気分になると、自然に足が向くお店。スープパスタのマイルドで品格のある風味が最高。いつも同じものしか頼まない私。

●海鮮丼「若狭家 歌舞伎町店」
http://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13038222/


【こんなお店】

歌舞伎町にある海鮮丼専門のお店。

【これがお薦め】

(1)オールスター丼 …… 1,750円
(2)練りわさび …… 0円

【こう楽しもう】

どんぶり飯の上に何を載せるか、2種でも3種でも、好きな組み合わせで自由に選べる。

カウンターの上には、ラベルのないチューブに入った練りわさびが備えられているが、「こちらの山葵は非常に効きますのでご注意ください」と注意書きが添えられている。「何を大げさな」と笑ってぎゅぎゅっと絞り出す。で、ほんとうに強烈な鼻ツーンでひどい目にあう。けど、この七転八倒がなぜかクセになる。

●「桂花ラーメン 新宿ふぁんてん」
http://keika-raumen.co.jp/


【こんなお店】

昭和30年創業の熊本ラーメン。こってりとんこつ味。新宿だけでも4店舗もあるし、めちゃめちゃ有名な店なので、いまさら紹介するまでもないけど。

【これがお薦め】

(1)太肉(ターロー)麺 …… 980円

【こう楽しもう】

過剰なまでにこってりとしたスープ。独特の香り。25年くらい前に初めて渋谷店に行って食したときは、これはしつこすぎてあかん、と思ったのだが。三回ぐらい行くと、もうだめ。病みつきになる。時たま無性に食いたくなるときがある。

●「唐そば 公園通り店」(渋谷)
http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13022829/


【こんなお店】

福岡のお店が店主の高齢化で閉店するのを機に、息子が継いで渋谷にオープンしたお店。今はちょっと空いてきたけど、かつては行列ができていた。

【これがお薦め】

(1)大盛りラーメン …… 800円

【こう楽しもう】

行列の固有値分解のできるラーメン屋。

長村泰作氏は、早稲田大学理工学部数学科の同じ研究室の一年上の先輩だった。夜中に計算機をぶん回して実行結果が出るのを待つ間、一緒に塀を乗り越えて夜食を食いに行ったりした。

あの頃から、ウチのオヤジが北九州でやってるお店のラーメンは日本一美味いから、食いに来い来いと言っていた。お客さんが真顔でしみじみと「おいしいねぇ」と言ってくれるのだそう。

父親がもう歳だからと店を畳むと聞いて、長村氏は東芝を辞めて継いだ。

●「カレー屋パク森 渋谷店」
http://www.pakumori.com/


【こんなお店】

市ヶ谷店が、惜しまれながら、2014年3月に閉店。渋谷店に行こうと思いつつ、実はまだ行ったことがないので、どんな感じか分からない。けど、メニューは同じなので、超絶美味いのは間違いなし。

【これがお薦め】

(1)パク森カレー …… 850円

【こう楽しもう】

10年ほど前、市ヶ谷左内坂にあったころ、よく行った。定番の「パク森カレー」は、薄い円筒状に盛ったライスの上に、きっちり同じ形に薄くドライカレーが載り、脇にはさらにプレーンカレーが注がれている二色カレー。これが絶品。

閉店して何年も経ってから、実は堀とJR中央線とを挟んだ反対側の靖国通り沿いに引っ越していたことを知り、二度ほど行った。しかし、そこも閉店。

市ヶ谷店はものすごく繁盛していた。けど、おっちゃんに聞けば、値段をぎりぎりに抑えていたので、利益はほとんど上がってなかったとのこと。つまりはコストパフォーマンス最高のカレーってことだ。一杯1,000円ぐらいに設定したって、ぜーったい人来るってー、って言ったけど、そうはしないところがおっちゃんの頑固なところ。

渋谷に行くときがあったらついでに寄るぞ、と思いつつ、まだ行けてない。

●「ヤミヤミカリー 中野店」
http://syokushindou.jp/nakano.htm


【こんなお店】

中野サンモール商店街の一筋右に並行して走る飲食店街の、奥のほう右側にあるカレー専門店。独創的な創作カレーがいろいろ。

【これがお薦め】

(1)合挽肉と完熟トマトの焼チーズカリー …… 900円
(2)アジアの通人パクチー …… 150円

【こう楽しもう】

バーナーの炎であぶって軽く焦がしたチーズは、にょーーーんとよく伸びる。もともとパクチーが載ってるとこへ、さらにトッピングで追加しちゃう。

なんと、早稲田にもお店がオープンしたとのこと。「中野でやろう!」の後藤氏に教えてもらった。とりあえず場所を確認してきたけど、早稲田通りからちょっと入ったところにある。「エチオピア」と同じ側ではないか。これからカレー激戦区になっていくのか。

●串焼き居酒屋「ももや」(中野)
http://tabelog.com/tokyo/A1319/A131902/13043768/


【こんなお店】

中野駅北口から延びるサンモール商店街を、ブロードウェイセンターの二本手前で右へ入った右側にある串焼き居酒屋。美味い。安い。

【これがお薦め】

(1)串焼き各種
(2)つくね
(3)モツ煮込み

【こう楽しもう】

TBSテレビ『有吉ジャポン』に出演したときロケ地になったお店。モツ煮込みの美味さは地元の人々の間でも評判。それと、ハンバーグみたいにでかくて、生玉子につけて食べるつくねも名物。炭火でじっくり焼いてくれる焼き鳥各種も絶品。

●「ぢどり亭 新井薬師店」
http://www.didoritei.cc/


【こんなお店】

西武新宿線新井薬師前駅近くになる薩摩郷土料理のお店。

【これがお薦め】

(1)鳥刺し2種盛り
(2)名物もも炭火焼き
(3)名物きゅうり漬け

【こう楽しもう】

私が一番高い頻度で行っているお店。生肉をニンニク醤油につけて、赤ワインとともにいただくのが最強のコンビネーションと思う。よく「ラストオーダーの時間です」と起こされる。

チェーン店の他店には二種盛りがなかったりするので、ぜひ新井薬師店へ。

●「焼肉苑 うまい」(新井薬師前)
http://tabelog.com/tokyo/A1321/A132104/13133644/


【こんなお店】

西武新宿線新井薬師前駅南口から徒歩4分のところにある焼肉のお店。

【これがお薦め】

(1)上カルビ …… 1,200円

【こう楽しもう】

一万円ぐらい使うつもりの大きな気持ちで行こう。こんなにやわらかくて美味い肉、食ったことなかったぞ。店のおばちゃんが焼いて、加減のよいところで皿に取ってくれる。

いろいろ謎の多いお店。私が行くと、別のお店の常連でよく会う仲間に電話して呼んでくれちゃうサービスつき。おいおい、呼んだらオレが勘定持たなきゃならんじゃん。商売がうまい。

●「江戸や鮨八 新井薬師店」
http://tabelog.com/tokyo/A1321/A132104/13107891/


【こんなお店】

西武新宿線新井薬師前駅南口から南へ徒歩1分のところにある寿司居酒屋。

【これがお薦め】

(1)特選刺身5点盛り …… 1,659円
(2)まぐろカマ焼き …… 893円

【こう楽しもう】

美味い刺身が食べたくなると行くお店。

●「一心ラーメン」(曙橋/四谷三丁目/荒木町)
http://tabelog.com/tokyo/A1309/A130903/13000212/


【こんなお店】

「エリマキラーメン」と呼んだほうが通りがいいか。店の上のほうにでっかいエリマキトカゲの立体造形が。背が緑で腹が黄色で頭が紫。あんまり食欲をそそるものではない。……はずなんだけど。

器の縁に並べられた海苔が、エリマキに見立てられているものらしい。味も断じて上品なものではないが、けど、けど、なぜか癖になっちゃうんだなぁ、これが。

【これがお薦め】

(1)のりスタミナラーメン …… 1,000円

【こう楽しもう】

なんか、ほんっとすごい。なにもかも強烈。品性という方向性の真っ反対へと突っ走ってる。みじんに刻んだ生の玉ねぎがどっさり入っている。生玉子が入っている。食ってる自分がトカゲになりそう。

●「インド式カレー 夢民(ムーミン)」(東京テレポート/台場)
http://www.mumin.jp/


【こんなお店】

西早稲田からお台場に移転したカレーのお店。ガンダム立像のある「ダイバーシティ東京プラザ」二階のフードコートにあるカレーのお店。

【これがお薦め】

(1)チキン野菜curry …… 760円

【こう楽しもう】

30年前、私が学生だったころには西早稲田の明治通り沿いにあり、よく食べに行っていた。さすがにもうないかと思いつつ検索かけてみると、お台場のフードコートに移転して営業しているではないか。

元のお店は 2012年12月30日に、人々からものすごーく惜しまれながら、37年の歴史に幕を降ろしたとのこと。2015年10月1日に、お台場に場所を移して常設再オープンとなった。

このお店の愛されっぷりと感動の復活劇は、SPA! がレポートしている。
http://nikkan-spa.jp/937842


知ったのがつい二〜三日前のことで、私はまだ行っていない。「東京アイドルフェスティバル」のときにでも行ってみるか。

●「居酒屋 くにさき」(上福岡)
http://tabelog.com/saitama/A1103/A110302/11024026/


【こんなお店】

東武東上線上福岡駅東口から徒歩11分のところにある居酒屋。同じ建物内で肉屋と隣接しあっており、牛刺しを注文すると、隣りへ行ってしゃかー、しゃかーとスライスしてきてくれる。店名は国東半島から。

【これがお薦め】

(1)牛刺し
(2)大分の日本酒「西の関」

【こう楽しもう】

牛刺しがもう絶品、絶品、絶品。三回言った。にんにく醤油とゴマ油のタレにつけていただく。口の中でとろけていく。最高に幸せになれる。また行きたいと思いつつ、久しく行けていない。だって、遠いんだもん。

●「赤鶏炭焼 大安(ダイヤス)」(鹿児島/高見馬場)
http://tabelog.com/kagoshima/A4601/A460101/46000599/


【こんなお店】

鹿児島中央駅から市電で三つめの、高見馬場駅から徒歩3分のところにある居酒屋。

【これがお薦め】

(1)赤鶏炭焼

【こう楽しもう】

もみのこゆきとさんと会いに鹿児島に行ったとき、連れていってもらったお店。隣りの人が、皿に山盛りになっている得体の知れない真っ黒いごろごろした小片を食べているのを見て、なんだか分からないままに「同じやつ」と注文。

「親鳥」というのは卵を産んだことのある雌鳥で、鶏肉とは思えないくらい硬い。それに自身の血と油をかけて燃やして作る(らしい)。めっちゃうまい。

高見馬場じゃなくて高田馬場にあったらなぁ、と。同じ味のものを出す店が東京にないものかと、さんざん探し回ったが。ない。結論。ない。今後は定期的に鹿児島に行かなくてはなるまいか。


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セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
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〈ドイツの写真〉

トリスタン・ユンカー氏から368枚も写真が送られてきた。5月21日(土)にデュッセルドルフで開催されたイベント「日本デー」における私の「仕事」ぶりが、これでもかってくらい記録されている。
http://picasaweb.google.com/Kebayashi/6294146322820513329


「Amazing Japan」というブースに呼んでもらえた。その会社の社長がユンカー氏。写真は主として、ユンカー氏の父親が撮ってくれた。

〈シンデレラフェスの映像〉

4月5日(火)、国立代々木競技場に女子高生一万人が集結するという夢のようなイベントが開催された。「シンデレラフェス」。そこでの私の「仕事」ぶりが、映像になり、YouTubeにアップされている。制作してくれたのは、「28Lab」さん。最後に中国の映像がちょこっと。



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編集後記(06/10)

●東海大学出版部が2015年に「日本まんが」という芸のない書名のシリーズを三巻出版した。超地味なハードカバーで、セットで買うと11,340円(税込)とは一般向きではない。わたしは図書館で発見して借りた。荒俣宏が14人の漫画家(と漫画研究家の清水勲)をインタビュー構成したもので、やなせたかし、ちばてつや、水野英子、水木しげる、さいとう・たかを、松本零士、平田弘史、バロン吉元、みなもと太郎、里中満智子、竹宮恵子、萩尾望都、高橋真琴、楳図かずお、とはシブい。シブすぎるが、まんが史的には資料的価値があるのだろう。その中から「第弐巻:男が燃えた! 泣いた! 笑った!」を読んでみた。

唯一、積極的に読んでみたかったのは平田弘史だ。リアルでハードな時代劇の巨匠だ。貸本時代からメジャーになるまで、かなりの数を読んできた。頑固な作風である。性格も古武士みたいな人で、出版社サイドとぶつかって作品を中断させたり、描くのを中止したこともある。ウルトラ博覧強記の荒俣は、貸本時代の世相にも通じ、自らも漫画を描くのに熱中しただけあって、ストーリーの作り方や作画について具体的なインタビューができる。作品をじっくり読み込み、個人史の下調べにぬかりがない。常に下手に出て、よくそんなことを聞いてくれた、と相手を喜ばせる。うまいもんだ。自然体の人たらしである。

平田の絵の時代考証は優れている。袴や着付け、刀があまりにもリアルなわけを聞くと、父親が天理教の布教者だったから、和服の着付けや所作をいつも観察していたのだという。刀の反りを正しく描けるのは平田だけだ。日本刀を買って観察し、三角定規を鉋と鑢で削って反りを作ったマイ定規を使う。ネタ探しは天理大学附属天理図書館で、弁当持って日参し、興味ある本を引き写す、というのがスペシャルな秘密であった。これなら時代考証もばっちりだ。国会図書館の次に蔵書数が多く(約146万冊)、一日に何十冊でも見られる。使い勝手サイコー。引っ越すときに天理を離れるのが一番つらかったという。

だから武家の暮らしや風俗に精通している。何でもかんでもリアルでないと気が済まない。有名な人や物の話は描かない。誰かがやりそうなところはやらない。「社会では認めていないが、おれは認める」という描き方をする。この頑固さがたまりません。侍と武士は違う。侍は上に殿様がいて家来になること、上がいない自営の浪人は武士、だから「七人の侍」というタイトル付けは間違いだという。現在は伊豆の東海岸・富戸で800坪の敷地に、機械工作所(電気や機械の専門家でもある)や巨大な母屋を建て、自然の中での生活が23年目だ(対談は2010年8月)。面白かった。他の作家のも読んでみるかな。 (柴田)

荒俣宏「日本まんが」第弐巻
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●ロビ続き。まずは10巻ずつまとめることからスタート。その後、号数ごとに並べ替える。テーブルのまわりに大きな山がいくつかできる。

差し替えパーツの号数を探し開封。これはテーブルの脇に置いておき、順次交換することにする。送付に使われた段ボールはゴミ箱に。

用意したのは、定期購読特典のマグネットトレイ(……使うの忘れてた)、ペン、マスキングテープ、ピンセット、はさみ、マグネット、100均で売られているピルケース。

ピルケースは仕切りと蓋のついた透明プラスチック製。アクセサリーや釣り道具入れにも使われる。蓋がひとつのものではなく、ブロックごとについているものがオススメ。いちいち開けるのは面倒だけど、ひっかけて全部が混ざるよりはマシ(笑)。

ドライバーは創刊号付属のもの。パーツ収納に使われていたブリスターパックを残しておき、各号を開封した時の臨時パーツ入れにした。 (hammer.mule)

こっちのピルケースよりは
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こっちのタイプがオススメ
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マグネット付パーツトレイ
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ロビ オリジナルマグネットトレイ
http://ameblo.jp/tu-redure7002/entry-11568416343.html