ローマでMANGA[98]夏目房之介さんのローマ/midori

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ローマ在、マンガ学校で講師をしているMidoriです。私の周辺のマンガ事情を通して、特にmangaとの融合、イタリア人のmangaとの関わりなどを柱におしゃべりして行きます。

●夏目房之介さんがローマにやってきた

夏目さんはご存知、漫画家、マンガ批評家、エッセイスト、学習院大学大学院の教授でもいらっしゃる。そして、プロフィールに必ずつくのが「夏目漱石の孫」。若い頃はこの枕詞が嫌だったそうだ。

漱石は、夏目さんの父上が九歳の時に亡くなったそうで、一緒に遊んだこともないし、見たこともない人なのに……、だそうだ。

でも、これだけネームバリューがあると、引用しないのもまた不自然だ。長じてからは、積極的に漱石を知ろうとし、漱石の孫の視点からエッセイも書いている。

夏目さんとは、ネットが取り持った縁で知り合った。今はほとんど行かなくなってしまったmixiで知り合った、原さんというフランスのコミックスを紹介する活動をしている人を介し、2008年にマンガ学校で奨学金生徒を連れて帰国した際にお会いした。

(↓その時の夏目さんのブログ)
http://blogs.itmedia.co.jp/natsume/2008/11/post-eab5.html





ウィキペディアによると、日本ではマンガについての教育機関のある大学・短期大学が24校もある。

アメリカ式に私立大学の伝統があるのでできることだ。ヨーロッパでは90%が国立大学で、私立はごくごくわずか。マンガ人口も少なく、マンガを教えるのはもっぱら専門学校だ。

ただ、大学でありながらマンガ専門学校のように、マンガの描き方コースだけというのも寂しい。ほとんどがそちらへ傾いているようだ。

大学ならばマンガを社会学的に分析考察したり、あるいは伝達表現方法として人文学的に研究があってもいい。夏目さんは学習院大学でまさしくそのように研究する学科で教授をされている。

大学院の人文科学研究科、身体表象文化学専攻。マンガ表現論という研究領域を開拓され、「マンガ学」という体系を統合する作業をされている。

今回、mangaの視覚的要素がどのようにイタリアで認識されているのか、サンプルを集めるためにやって来られた。

かつてお会いした縁から、オーガナイズを仰せつかることになった。マンガ学校のローマ校では、金曜日のセミナーの日に3時間の会見をもった。

脚本セミナーの講師も参加して、夏目さんが持ってきた様々な例をもとに、mangaと海外のマンガに違いがあるかどうかを検討した。

脚本科の先生はとても面白がって、私のmangaセミナーを受講したいなぁとまで言った。mangaは目の大きな、いわゆるmanga風の画風のことだと考えている人が多いので、改めて分析してみせると、新たな見方を得て面白がるのであった。

夏目さんの分析は、まだ夏目さんの研究途中なので、ここで私が知り得た事が一部分だけであっても詳しく書くべきではないと思うが、非常に大雑把に言うと、画風だけでmangaかmangaでないかとを判断するのはあまり意味がない、ということだ。

私のセミナーはどちらかというと、mangaと他の国のマンガの違いを強調するので、一見、夏目さんの方向とは逆とも言えて、それがまた面白かった。

でも、mangaをmangaたらしめるのは画風ではなく、題材でもなく、その語り方にある、と夏目さんの分析から導くことができる。やっぱり私が広めたいことは広めて良いのだと、勝手に理解することにする。

「manga式構築法」というのは、他の表現方法同様に流動的に変化することも可能な、でも一個の表現方法としてはっきりと確立して良いのだと思う。

困ったな、もう還暦過ぎちゃったし、あまり時間がない。どうやって広めようか考えなくちゃ。いや、広めるのは次世代に任せるとして、なにか形にしておかなくちゃ。

●夏目さんのローマ観光

来伊の目的が観光ではないにしろ、ローマに来て何も見ないまま日本に帰すわけにはいかない。一日を観光に当てた。

フィレンツェ行きの電車切符を買わねばならないことから、まずテルミニ駅へ行き、そのすぐそばにある、かつていくつもあった公衆浴場の中でも最大だった「ディオクラティアヌスの大浴場」跡へ行った。

知らなかったのだけど整備され、公開されていて中に入ることができた。中のフレスコ画の装飾はすっかり落ちているものの、いかに豪奢であったか、その巨大さからもローマの栄華を計ることができる。

数少ない訪問場所で、特に喜ばれたのがバチカン美術館だ。特にシスティーナ礼拝堂のミケランジェロの若かりし頃の天井画「天地創造」と、老成してからの壁画「最後の審判」は感嘆をもらされていた。

職業柄、また、趣味柄、構図とか色とか表象に精通していると天才を知ることができる、というわけだ。

今年は聖なる年で、どこへ行っても例年よりも訪問客が多く、バチカン美術館もその例に漏れていなかった。

システィーナ礼拝堂は、一か所で見るべきものがたくさんあるので人がたまり、通勤時の電車状態になる。写真撮影は禁止なのだが撮影する人も多く、礼拝所だから静粛にすべきところを感想を言い合ったりする人も多く、いつもざわざわしている。

その禁止二項目を注意するために、監視官がしょっちゅう「No photo!!」とか「Silenzio! シーーーーッ!!」と声を出す。

夏目さんは絵に圧倒されて、そのような雑音がじゃまにならないらしく、じっくりと鑑賞されていた。

ローマ滞在中、フィレンツェにも行き、マンガ学校のフィレンツェ校とウフィッツィ美術館を訪問された。フィレンツェ在の知り合いに案内を頼んだので、ご一緒できなかったがウフィッツィも感激だったらしい。

30年以上住んで、麻痺しつつあるけれど、イタリアは国中が文化と美術の宝庫なのだと改めて思い知る。

(↓今回の夏目さんのブログ)
http://blogs.itmedia.co.jp/natsume/2016/05/post_4121.html

●夏目さん後

ローマ滞在の後半は、思ったところに宿がとれなかったこともあり、我が家のB&Bに宿泊していただいた。

予定行動以外で我が家にいた時間は当然、mangaの話になり、イタリアのマンガの歴史を簡単に解説しながら、私の収集物や資料をお見せした。

マンガに興味がない人にとってはただの紙切れの束だけれど、日本に限らず、マンガを研究する者にとっては貴重な資料になりうるとおっしゃって頂いたので、遺書に、学習院大学大学院の夏目さんの研究室に寄付する、と書くことにした。

私は今すぐ寄付しても構わないのだけれど、研究室ではまだそうした資料を置く具体的な場所や、まだ「マンガ学」が確立していないので、担当研究者などもはっきりできないのだと解釈した。

ともかく、捨てないで取っておいたこれらの紙の束が、無駄にならないであろうと思えたのは嬉しい。

夏目さんのサンプリングをアシストしながら、manga表現のもう一つ違った見方、私が無視しようとしてきた描画からのアプローチというのも加えるべきだな、思い始め、これも収穫だった。

イタリアから「マンガ学」を攻めていきたい。


【Midori/マンガ家/MANGA構築法講師】midorigo@mac.com

ダイエット。最近、腰が痛くなったり膝が痛くなったりすることが多くなった。寄る年波と運動不足で筋肉全体が弱くなり、カロリー消費量が減っても食べる量があまり変わらないので、体重が増えたからだと判断した。

家に電動式走るマット(?)があって、一日10分くらいやり始めたのだけど、続かない。元農地で広い庭があるのだから歩き廻ってもいいのだけど、まぁ、そういうのって飽きてしまって続かない。

それで一番てっとり速い(ほんとかな?)カロリーを制限する方法をとることにした。
http://www.melarossa.it/

こういうサイトがあって、無料登録し、身長、体重、ウエストとヒップ寸法、年齢、性別、職種、一日の行動などの質問に答え、最後に目標体重を入力する。すると、何週間かかって目標に到達するか、そして毎週朝昼晩のメニューを送ってくる。

目標は週に1キロ減で6週間。3週間ほど経ってメニューを吟味した結果、次のことがわかった。

・炭水化物は昼に50g.

・タンパク質は少量を昼に摂取

・野菜はたっぷり

・炭水化物も野菜もタンパク質も毎日、品を代える。例えば、月曜パスタ、火曜お米、水曜麦、などなど。パスタも米も一食50gだけど、一緒に大量の野菜を調理して量的には空腹に悩むことはない

・果物は食間

ちゃんと量を測って食事をした週は2キロ減。でも、その後、友人との食事会やら、夏目さんと一緒に外食したりで、量を守れずにまた2キロ増。

そんなことを繰り返して、今また出発から2キロ減のところで小さく上下している。体感としては、もうちょっとなにか食べたいな、のところで抑える量が正しい。昔の人も言ってたよね。腹八分目って。

とりあえず、6週間、このダイエットをしてみて(好奇心からも)、終了後は腹八分目と食材を様々なものにする、果物は食間、というのを習慣にしていこうと思ってる。運動は……

MangaBox 縦スクロールマンガ 「私の小さな家」
(なかなか更新できない)
https://www-indies.mangabox.me/episode/58232/

主に料理の写真を載せたブログを書いてます。
http://midoroma.blog87.fc2.com/