[4165] 無料イベントの主催者側事情

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《「ドタキャン」するなとは言いませんが》

■羽化の作法[20]
 強制撤去のあとで
 武 盾一郎

■crossroads[22]
 無料イベントの主催者側事情
 若林健一

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■羽化の作法[20]
強制撤去のあとで

武 盾一郎
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20160719140200.html
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強制撤去の翌日、僕は『スイートホーム』の家主「ケンさん」を探しに新宿に出向いた。どうして新宿まで行かなければならないのか、自分でもよく分からないのだが、ともかくケンさんに会いたかったのだ。

しかし、ケンさんは見あたらなかった。翌、26日も新宿に出かけてケンさんを探した。しかし、ケンさんに会うことはなかった。

新宿西口地下広場、通称〈インフォメーション前〉はごった返していた。

〈インフォメーション前〉〈B通路〉〈京王新線の通路〉に分散していた段ボールハウス、〈B通路〉は強制撤去により封鎖され〈インフォメーション前〉に、〈王新線の通路〉はもともと夜には封鎖されるのだが、昼間そこに段ボールハウスを建てて過ごしている人たちは、みな〈インフォメーション前〉に移動してくるようだった。

段ボールハウスは〈インフォメーション前〉に密集して建ち並び、郵便ポストも設置されて、「段ボール村」と呼ばれるようになっていった。

強制撤去以前も段ボールハウスは並んでいたが、自然発生的でどことなくのどかだった。強制撤去後の「段ボール村」は、都市の中に産まれた「意志を持った都市」のようだった。

皮肉にも東京都による排除によって、無意識的自然発生的な段ボールハウスの集落に、明確で反発的な「意志」をもたらしたのだ。

強制撤去をかいくぐって生き残った段ボールハウス絵画『新宿の左目』は、まるでそれらを象徴するように黒く妖しい光を放っていて、どこか悪魔的な宗教のような感じすらした。

その佇まいを改めて眺めてみると、「これこそが芸術だ」とひとり納得したのだった。

しばらくは段ボールハウスに絵を描かなかった。強制撤去まで段ボールハウス絵画に集中し過ぎたからだろう。再び段ボールハウスに描く気が湧いてくるのを待った。

僕とタケヲは段ボールハウス絵画以外の制作に取りかかった。しかし、朝からお酒を呑んだり一日中ボーッと寝てたり、燃え尽きた抜け殻のような気分になることもあった。

●新宿連絡会の人たち

新宿西口地下道段ボールハウスに絵を描くまでは、「支援者」と呼ばれる社会運動をしてる人たちがいることを知らなかった。物凄く乱暴に言えば、「左翼」がこの国に居ることすら知らなかった。

地元の上尾では、子供の頃から、時折右翼の街宣車が大音響で走っていた。中学になると同級生たちはだいたいヤンキーになり、そこから暴走族に入ったり、横浜銀蠅を聴くのが地元の文化だった。

これらのヤンキー右翼文化がどうにも肌に合わなくて苦しかった。僕からすると「左翼の人々」はファンタジーの世界だったのだ。

強制撤去の直前には、「過激派」と呼ばれる人たちも新宿に来ていた。その中のひとりのお兄さんが、ちょくちょく僕らに話し掛けてくれた。成田空港反対派の人らしかった。

テレビのニュースで、成田空港に過激派の人たちがいるという雑な情報は知っていたが、実物がいるとは想像もしていなかったのでちょっとびっくりした。「過激派」という言葉のイメージとはかけ離れた、呑気そうな背の低い人懐っこい人だった。

強制撤去までは絵を描くのにいっぱいいっぱいで、そういった「活動家」の人たちと話す機会はほとんどなかったが、強制撤去前、段ボールハウス側にいて闘っていた人たちに対してシンパシーは感じていた。

新宿一帯のホームレス支援をしている団体は「新宿連絡会」、さぞかしいっぱい人がいるのかと思いきや、多分4人くらい。炊き出しをしたり、行政と面倒臭そうなやり取りをしていると知った。

段ボールハウスに絵を描いてると、ホームレスの人たちから食べものを頂くことは割とあった。頂いた食べものは出来る限りしまわずに、その場で相手の見える前で食べるようにしていた。

元々板前さんだった人も多いようで、頂く手料理のほとんどは最高に美味しかったが、炊き出しはあまり美味しく感じることはなかった。

乾パンもよくホームレスの人に配られていたが、これも不人気らく、しょっちゅうホームレスの人たちから乾パンを頂くのだった。

「新宿連絡会」に、色白で瞳が大きく真っ赤な唇で、ちょっと女性的な感じの24〜25歳くらいのか細い青年がいた。「活動家」のイメージからほど遠いその人は、聞けば東京大学の大学院生だという。

彼の名は稲葉剛、後に「もやい http://www.npomoyai.or.jp 」を立ち上げる人だ。そして僕は稲葉さんから東大駒場寮のことを聞くことになる。

それから笠井さんという、見た目はいかにも「活動家」という人もいたけれど、話すとびっくりするほど弱々しい高い声の人だった。

社会の真ん中でうまく生きていける、穏健そうに見える人たちの方が実は強靭で暴力的で、優しくて繊細過ぎちゃった人たちの方が暴力的なイメージの活動家とかになっていくのかもなあと思ったのだった。

強制撤去まではギューっと一点に集中していく感じだったけど、強制撤去後は燃え尽きて灰になってる部分と弾けて拡散する部分とに引き裂かれていくのだった。(つづく)


【武盾一郎(たけじゅんいちろう)/時間の使い方がもっと上手になりたい】

小説家の星野智幸コレクション全四巻(人文書院)の装画を担当することになりました。いよいよ最後のIV巻『フロウ』を制作。制作過程はフェイスブック、ツイッターにアップしてます。I・II巻9月刊行予定、III・IV巻12月刊行予定。乞うご期待!
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■crossroads[22]
無料イベントの主催者側事情

若林健一
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20160719140100.html
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こんにちは、若林です。前回「DojoCon Japan 2016」の紹介をしましたが、「DojoCon Japan 2016」に限らず無料のイベントに参加するにあたって、イベント主催者から参加者の方にお願いしたいことがあります。

無料のイベントや勉強会の場合、事前申し込みしたのに当日来ない、いわゆる「ドタキャン」が多いのです。それも「キャンセルします」と連絡をいただければまだマシな方で、連絡なく来ない「無断欠席」という方も多い。

参加者枠に制限がなく出入り自由といったイベントならともかく、席数の関係で事前受付をして人数を把握し、定員を超えた場合方についてはキャンセル待ちとしているようなイベントの場合、連絡なく欠席されるのはキビしい。

無料のイベントであれば、キャンセルしてもキャンセル料はかからないし、元々無料なんだから払い戻しの手間もかからない、主催者にも迷惑かからないだろうと考えられているのかもしれません。

とりあえず申し込んでおいて、その日の時点で行く気になれば行こうと考えている方や、場合によっては申し込んだことすら忘れてしまっている場合もあるようですが、それでは主催者側は困るのです。

●イベント開催にかかる費用

イベント開催にかかる費用は、大きく以下の三つに分類されます。

1)会場費(会場を借りるための費用)
2)運営費(備品などを購入する場合)
3)人件費(登壇者への謝礼金や交通費)

「会場費」については、公共の施設、学校の施設、会社の施設などを利用させていただける場合、大幅に下げられる、場合によっては無料になることもあります。

「運営費」は開催するイベントの内容にもよりますが、コミュニティメンバーが集まって活動するだけで成立する勉強会のようなものであれば、用意すべき備品がなかったり、メンバーが持っているものを持ち寄ることで費用をかけずに済ませることもできます。

「人件費」もコミュニティメンバーの中であれば、費用をかけずに済ませることもできます。これらの条件が揃えば、コストゼロで開催することも可能です。

「運営費」と「人件費」はコミュニティでなんとかなるけれど、「会場費」だけはどうしても避けられないという場合、「会場費」だけを参加人数で等分して負担、ということもよくあります。

●スポンサーによる支援

イベントへの参加者が数百人以上の規模にもなれば、スポンサー企業を獲得し参加者への広告を可能とする代わり、資金を提供していただくこともあります。

多くの場合、スポンサー費(スポンサー企業からイベント運営者に支払う費用)をランク分けし、金額の高いものには露出が大きくなる特典、例えばWebサイト上の表示エリアが大きい、見易いところに自社へのリンクが置かれる、イベント会場で人の流れの多いところを優先的に利用できるなどのメリットを設定します。

当然、スポンサー獲得のための活動や調整も必要になりますので、この規模になると運営メンバーの負担も大きくなってきます。

●有料と無料の境目

開催にかかるコストがスポンサー費用だけでは賄えない場合は、有料イベントとして開催するしかないのですが、有料のイベントと無料のイベントでは同じ会場でも利用にかかる費用が異なる(有料イベントの方が高くなる)こともあります。

会場費が上がる分を、スポンサー獲得か参加者費用値上げで対応しなければいけませんので、このバランスがまた難しいところです。

有料にした方が「無料だからとりあえず申し込むか」といった安易な動機の参加を排除できますので、言い方は失礼ですが「来場者の質」を上げることができると考えられますし、費用をいただいている分「ドタキャン」を少なくできるというメリットがありますので、少額であっても費用をいただいた方が運営者としては楽という面はあります。

ただ、非営利のコミュニティイベントの場合、このような難問をくぐり抜けながらも、できるだけ多くの方に来て欲しいという思いであえて無料にしていることも多いのです。

「ドタキャン」するなとは言いません、病気や個人的もしくは仕事上の緊急事態によって、参加できなくなることもあると思います。

ただ、無料だからキャンセルしても主催者側に迷惑がかからないだろう、と考えているのであればそれは違います。

参加しないことを決めた時点で、速やかにキャンセル手続きなり連絡をしていただくようお願いします。


【若林健一 / kwaka1208】

Web: http://kwaka1208.net/
Twitter: https://twitter.com/kwaka1208

CoderDojo奈良&生駒の開催予定
http://coderdojo-nara.org/
生駒:7月30日(土)午後
 

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編集後記(07/19)

●読売新聞7/14・夕刊の「みなみらんぼうの一歩二歩山歩 登山よもやま話 脳梗塞になった日」が興味深かった。短いので全文を掲載させてもらう。

◇さて脳梗塞はある朝、優しげにやってきた。原稿を書いているうちに、ペン先がもやもやし始めたのである。眼に出るタイプらしい。ちなみに僕は頑固な人間で、いまだに原稿用紙に書いている。

ペン先の文字に焦点が合わなくなったので、眼を擦ったりしたのだが、どうもいけない。カミさんが在宅だったので、目に不調を訴えると、にやにやして「だから言ったでしょう。昨夜は飲み過ぎよ」。

二、三度禅問答を繰り返して、ようやく「じゃ、目医者さんに行きましょう」というので、外に出る。ところが右目がプリズムで覗いたみたいにゆらゆらしている。片方だけそうなのでまっすぐ歩けない。

近くの眼科で見てもらうと「こりゃうちじゃありませんな」と言われ、総合病院を紹介してもらった。そこのMRI検査で初期の脳梗塞が見つかった。この早期発見が幸いして事なきを得たのである。病院で一晩寝たら症状は消えた。◇

ちょっとした不調がじつは脳梗塞であった、ということはよくある話らしい。脳梗塞の前兆をTIA(Transient〈一過性の〉Ischemic〈血流が乏しくなる〉Attack〈発作〉)という。片腕の力がだらんと抜けた。舌がもつれた。歩きずらく片側に倒れそうになった。顔が歪んで口元が痺れた。目の半分がぱっと見えなくなった。こういうTIAの症状が出ても30分ぐらいで収まると、「気のせい」「疲れただけ」とそのまま放置するケースが多いがそれは危険だ。できる限り早く脳の専門医に診てもらう必要がある。

ちょうど一年前、なんか変だなーと思って、とりあえず横になっていたことがある。じきに回復したが、数日イマイチな感じだった。まあ、これは熱中症とやらだったのだろう。いま日垣隆「脳梗塞日誌〜病棟から発信! 涙と笑いとリハビリの100日間」を読み終わったが、妙な文体で綴られる一種の闘病自慢本。変なジャンル。後味はよくない。ずいぶんエラそーな人である。(柴田)


●ドタキャンしたら悪いなぁと思ってしまい、申し込めないことが多い。行けなくなったら事前連絡すればいいはずなのに、断りの連絡を入れるのがつらくて申し込めなかったりする。セミナーやイベント、飲み会でも。

/舌のもつれは、人と会話をする機会が少ないからであろう。握力がなくなり、物を落とすのは疲れているからであろう。目がかすんだりピントが合わないのは仕事のしすぎであろう。怖くなってきたわ……。

/しばらくロビ話を書いていたが、まさか組立代行があるとは思わなかった……。

iPhoneトラブル続き。全然インストールしているようには見えない。すぐに必要なアプリだけを先にインストールさせたいが、こちらでその順番を決めることはできない。

自動的に同期するなら、すぐには使わないものを個別に削除しようと考える。が、削除した先からグレーのまま(インストール未完のまま)追加されていく。

フォルダの中のものを削除したら、フォルダ外に復活するものだから、ホーム画面にアプリが重なって表示されカオス。

どこかに情報があって、自動ダウンロードさせつつチェックしているのだろう。こちらの作業はカウントされていないようだ。

今後は、インストールするアプリは必要なものだけにしよう……と誓ったのであった。 (hammer.mule)

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