装飾山イバラ道[182]「こしあん」ミッション発動/武田瑛夢

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久しぶりに「粟ぜんざい」を作ろうと思って「もちきび」を探した。有名甘味どころでも、「もちあわ」でなく「もちきび」を使うというので真似している。濃い黄色がきれいだ。

最近の雑穀ブームで手に入りやすくなったのは良いけれど、小さいパッケージが主流になってしまったのが残念だ。ご飯と一緒に炊き込むための数十グラムの小分けパックの物しか置いてないときは買うのを諦めていた。

しかし、その日はスーパーでなんとかそこそこな量の「もちきび」があったのでカゴに入れる。「こしあん」を探したけれどない。「粟ぜんざい」には滑らかさを引きたせる「こしあん」が絶対合うと思うのだ。

缶タイプでも袋タイプでもどちらでも良いけれど、あちこち探し回っても見つからなかった。そこはスーパーマーケットとしては大型の店だったので、置いていないということはないだろう。夜も更けていたせいか、売り場担当の人を探してもいないし、レジまで行くと全体的に若い人ばかりだった。

「すみません、『こしあん」はありませんか?』大学生くらいのスタッフに聞いてみた。「はい、少々お待ちください……」と自信なさげに隣のレジの同じくらいの年齢の男性に何かを聞いてから、売り場の方へ急いで行ってしまった(できれば俺に聞かないで欲しかった)というのが顔に出ていた。





何かのミッションを発動させてしまったような気持ちになったけれど、「こしあん」という、ふだん男子大学生がほとんど買わないであろう物を要求してしまって悪かったなと思ったり。いやいやスーパーで「こしあん」を買うのはごく普通で、すぐ見つけられて当然のものだ。彼はきっと「こしあん」がわかる人を探しに行ったのだ。

材料だから和菓子のコーナーでもないし、お正月でもないから特設コーナーもない。姿形が想像できれば見つけやすいけれど、きっと謎だろう。私自身でも「こしあん」のパッケージをイメージするのは結構大変だ。

缶でも袋でもいいと言ったように、生っぽく練ってあるものがどんな入れ物に入っているのかは商品によるのだ。粉のタイプの「さらしあん」もあるのでさらにめんどくさい。

有名メーカーのものでは「ゆであずき」の井村屋の缶があるけれど、「こしあん」に関しては有名な商品は多分ないと思う。これは「ゆであずき」「こしあん」で画像検索してみるとよくわかる。「ゆであずき」だと井村屋の缶の写真がどんどん出てきて、正月に山積みになって売っているあのイメージがある。

多分「こしあん」はマイナーで、「ゆであずき」ほど人気もないのだと思う。「こしあん」がどうしても必要な人なんてそういないので、スタッフがわからないのもしょうがない。などと考えていたけれど、一向に彼が戻ってこない。

夜だから人が少なくて、「こしあん」がわかる大人の人がいないのだ。結局、さっきの隣のレジの若いスタッフと二人掛かりで探しているみたいだ。

しばらくして「す、すみません。『ねりあん』ならあったのですが。」と戻ってきたスタッフに言われて、売り場へ行ってみると「つぶあん」の隣に「ねりあん」はあった。袋入りでずっしりと重い。「あ〜、これで大丈夫だと思います」とお礼を言うと、彼らはほっとした様子でレジへ戻った。

そうか「ねりあん」という呼び方もあるのかと思って周りを見渡すと、最初に「もちきび」を買った場所とそう離れていなかった。なんだか申し訳ないと思ったけれど、きっと彼もあんこの種類に詳しくなったと思う(笑)。次に役に立つことはほぼないかもしれないけれど。

WEBで調べてみると、ねりあんをさらに濾したのがこしあんという説とか、ほぼ一緒とか、方言かもとか、確かなことはわからなかった。そこで「ねりあん」で画像検索すると、やはり井村屋の缶詰が出てきた!

井村屋が「ねりあん」というなら、もうこれから私も「こしあん」ではなく「ねりあん」と呼ぶことにした。本当にどうでもいいような決意表明で申し訳ない。

●懐かしいアイス

ついでに井村屋のWEBを見ていたら、7月1日が井村屋あずきバーの日だということも知った。美味しいですよね、あずきバー。

そして今年の7月1日にも東京都・愛知県・大阪府の計4会場で、計1万5000本のあずきバーを無料で配布していたそうだ。通りすがりの人だけラッキーな感じのイベントだけれど、あまりそういうのに出くわしたことがない。

アイスバーやかき氷は大好きだけれど、世代によってもアイスの経験が違う。私は夏休みには母の田舎の新潟に預けられていたので「もも太郎アイス」が懐かしい。

もも太郎なのにイチゴ味のピンク色のアイスバーだ。お小遣いをいくらかもらって子供達だけで買いに行った。暑い時には冷たいものが一番嬉しかった。

今はガリガリくんばかり食べている夫だけれど、小さい頃はかき氷屋さんの「スイ」が好きだっと言う。ただの透明の砂糖水のようなものをかけたかき氷で、「みぞれ」と同じようだ。これも調べてみると地方によって呼び方が違うらしい。

今はマンゴーやアイスクリームをモリモリにのせたかき氷がブームだから、「スイ」なんて素朴すぎると思うけれど、究極のシンプルさで暑い時には美味しいのかもしれない。

そういえば何かのデザートを選ぶ時に「そんなクドイものを食べたら後でノドが渇くよ!」これ、昔からよく言う人いたけれど、後でノドが乾いて何が悪いのだろう(笑)。後でノドが渇くような無駄な結果を引き起こすデザートは悪だと言うことか。損した気分になる?

後でノドが乾いたらお茶を飲めばいいじゃない。と思うけれど、それはまるで「パンがないならケーキを食べればいいじゃない」と言ったマリー・アントワネットのように呑気な感じを人に与えて嫌われてしまうのだろうか。

きっと江戸っ子には、冷たいものをサッと食べてそれでしまいにできる「スイ」みたいなシンプルさが丁度いいのかもしれない。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/

「Pokemon GO」が来るというので、ニュースはこの話題ばかりだけれど、やってみた。捕まえるとストックされていく感覚は確かに楽しい。たまごとかアメとか、どうすればいいのかまだわからないけれど育つらしい。