3Dプリンター奮闘記[82]人を育てるということ/織田隆治

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盆休みも明け、学校では夏休みも明けてきました。みなさん、頭回転していますか〜?

僕は少しだけお休みをいただきまして、実家に帰っただけで終ってしまいましたけど……。

さて、僕は専門学校や大学なんかに非常勤講師として行ってる訳ですが、この夏休みってのが、けっこう色々と今後のことに結構影響するんですよね。

「長い休みをどうしていたか?」ってことです。

僕が学生の頃は、ひたすら遊んでいたんですけど、講師をするようになって強く感じることがあります。

学校で今教えているのは、3Dプリンターを使った造形なんですけど、当然のように課題を出すわけです。

学生は、前期でできることを考えて、その課題を進めて行く必要があるのです。





「作りたいものを作る」というだけで自主性を重んじすぎると、難しい目標を持ちすぎたりして、結局完成しなかった。

そういう結果もちらほら出ますので、ある程度線を引いてあげて、それに沿って、自分の作りたいものを作る。という方向にしています。

社会に出ると、自分の作りたいものを作る、というわけにもいかないんですが、まずは「もの作り」を好きになり、完成した時の感動というか、達成感みないなものを感じて欲しいですね。

仕事で色々なものを作るんですが、初めあまり気が進まなかったものも、うまくできるに従って、楽しくなってきます。

そして、完成して納品した時に「いいものができた!」と思われる、言ってもらえる、という充実感を一度味わうと、楽しくてしょうがなくなります。

そういった経験を積んでもらいたいんですよね。

さて、夏休みが明けて久しぶりに学校に行ってきました。それぞれ、課題を進めている学生、進めていない学生。さまざですね。

まあ、僕なんてほとんどやってませんでしたから(笑)

これから、社会に出るために、そろそろ締めていかないといけないな〜なんて思っているんですが、要は「自分のやる気」をどうやって引き出して行くか?ってのが非常に難しい。

それぞれ、個性もありますし、性格もあります。

一人一人観察して、どうやって「やる気」を育てて行くか、ってことがこれまた難しいんですけど、最近やっとなんとなく分かってきたような気がします。

ちょっとしたコツや小技で、できなかったことができるようになったりします。それができた時の学生って「良い顔」してるんですよね。

これがいいんですよねぇ。

一度自信を持つと、次のステップに取りかかれます。そうやって、少しずつステップアップしていくんですね。

それでも、得手不得手があるわけで、技術的なことを学んでもらうのはもちろんなんですけど、どうやってやる気を出してもらうか、ってことが鍵なんだなぁ、と最近強く感じるようになってきました。

これって、社会に出ても同じことですよね。

良いディレクションを行うのは、どうやってチームのモチベーションを上げて行くかってことですよね。

3Dプリンターってのは、基本的にはただの道具、工具みたいなものです。

「どういう物を作りたいか?」
「どういう物を作らないといけないのか?」

ってことが先にあり、そのための道具として3DCADが必要だったり、3Dプリンターが必要だったりします。

3Dプリンターを使ってみたい、という興味だけでは、長続きしないこともあります。逆に3Dプリンター本体に興味を抱いて、3Dプリンターのオペレーター、もしくは開発に興味を持つこともありますが……

ほとんどの場合は、「3Dプリンターがよさそうだから……」「3Dプリンターを使えれば、何かできそう」という曖昧な動機なんです。

「欲しいものがあって作りたい!」という動機付けが一番大切なんですね。

例えば、「自分の好きなキャラクターがあって、それが立体化されていない」とか、「自分の作った回路等を入れる箱が、オリジナルのデザインしたもので欲しい」というような動機ですね。

すべてを3Dプリンターでやることもないですし。そのへんの見極めも必要になってきますね。

「やる気の問題」これは、学校や企業側にも言えることで、どこまで真剣に取り組んで行くか、ってことも必要です。中途半端な機材や思想で、こういった新しいことに取り組んで行くことなんてできないわけです。

最近では、IoTといった事業が注目されています。

このあたりでも、3Dプリンターの活躍する場が広がって行きますし、育てる側の本気度も問われるようになるんじゃないかなぁ、と思います。

なんとなく流行そうだから、なんとなくやらないといけなさそうだから。そういう気持ちだけで始めて、失敗してしまうところもたくさん出るんじゃないでしょうか。

これは、経営側がどこまで先行投資できるか、ってことにもかかっています。良い人材を育てるにはお金も時間もかかります。

このご時世、かなり難しいことではあるんですけど、やるなら本気で取り組む、向き合う必要があるんですね。当然、長い目で……。


【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
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