装飾山イバラ道[184]シン・ゴジラと映画グッズの話/武田瑛夢

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シン・ゴジラを見た。私のゴジラへの興味は長い。今まで何度か書いてきたので手短に言うと、近所におそらく映画関係者の家があってチケットを安く買えたことから、大きなスクリーンでたくさんのゴジラ映画を見てきた。

ハリウッド版も新旧両方見たし、ゴジラに限らず特撮やモンスターものは大好きだ。

※以下は映画のネタバレが多くなりましたので未見の方はご注意ください。





日本で作られるゴジラ映画の話題が出た時はとても楽しみだったけれど、今回のゴジラのビジュアルがあまり好きになれず、少し不安もあった。映画グッズのWEBサイトでは、公開前に気になるものを注文したりしていた。

実際に見てみると、今までのゴジラ映画とはまったく違うタイプの映画になっていた。まずセリフの多さに驚いた。シン・ゴジラの冒頭は、言葉を取り込んで処理する仕事で頭がいっぱいになる感じだ。

それは夜中のテレビ番組でラップ対決をしている「フリースタイルダンジョン」を見ているような感覚。

あの番組の即興で繰り広げられるラップバトルを、私は半分も聞き取ることができないけれど、完全に理解している審査員の聞き取り能力に驚く。テレビと違ってライブは、字幕がないのによく言葉を拾えているものだ。

まったく異なる言葉使いではあるけれど、畳み掛けられる言葉って人を圧倒する力があると思う。シン・ゴジラの場合、内容は政治用語や専門用語の漢字だらけの言葉が多いけれど、補足なのか字幕が出ることが多いせいか、案外理解はできてしまう。

セリフも字幕も面白いものがみっしり詰まっているので、もう一回見て確認したいことが出てくる映画だ。

CMで謎だった点(動きの硬いゴジラ)は狙いでもあったらしく、映画の良いシーンのほとんどはCM映像に使われていない。映画の流れも、渡辺謙さんが出ているハリウッド版の逆をいっている部分もあるし、CGや特撮が円熟した今の日本でこのタイミングで作られたことはなんだか良かったと思えた。

ゴジラだから突拍子もないようなことがたくさん起こるし、逃げ惑う人々にも現代の日本が現れている。今までのゴジラ映画も「ゴジラって悪者なのか味方なのかわからない」ものが多かったけれど今回の場合、その問いはもう少し別のものとして表現されていた。

街を破壊しているゴジラという存在をどうするのか、話し合ってから決めることにするのはそういえばそうだけれど、あまり見たことがない流れだ。今までの映画ではハショらざるをえなかったあらゆる細かい段階を、ハショらなかったらどうなるかを考えてみたら面白かった、ということかもしれない。

日本人は真面目だからこういう戦い方になるけれど、それぞれが頑張るというのが良かったと思う。ゴジラと戦うチームの人々は意見は交わすけれど、細かい所で指示を待っている人はほぼいなかった。小さい判断と大きい判断ということかもしれない。

映画のキモとなる大きな判断は、できる人が決まっているのだからそれはその人が決めるしかない。自分の役目の中で最良に思える判断を、それぞれの持ち場でし続けていくことが全体の強さになる。スポーツでも学校でも会社でも、共同作業の成功に必要な力ではないだろうか。

災害を経験した日本だから、見覚えがあったり重なったりするいくつかのシーン。良い判断も機が熟さなければできないこともあるし、緊急事態で変わっていく人々の強さも良いと思った。

人によって解釈がいろいろ違うと思うけれど、過去作からのオマージュのようなものも多い。私には長く伸びたポンプ車のシーンは、まさに現代のメカキングギドラのように見えた。

ちょっと細いのがまた現実的で涙ぐましい(何のことなのかは見ないとわからなくてすみません)。少々泥臭い人間の手による戦いのそれぞれに「うまくいってくれ」と願ってしまうのだ。

●少しづつ進化する映画グッズ

映画グッズが好きなのは今までも書いてきたけれど、定番なのが人形付きボールペンだ。旅行やレジャー施設のお土産にもよくある。ペンの頭にフィギアが付いていて、普通に書くのには重くて邪魔だ。しかし手頃な価格と省スペース性が便利でつい買ってしまう。

グッズの中ではかなり安易な部類のものだと思うけれど、ペン立てに押し込んでいると、普通はありえない組み合わせのキャラクターが隣に並んでいて面白かったりする。電話のそばに立てておいて、メモる時ぐらいに使うのにちょうどいい。

・ヘドウィグボールペン、ゴジラLEDヴォイスペン、チシャ猫ボールペン
http://eimu.com/dgcol/carpen.jpg

今回写真に撮ったのはハリー・ポッターの白フクロウヘドウィグと、シン・ゴジラのゴジラ、アリス・イン・ワンダーランドのチシャ猫の三本。

白フクロウのヘドウィグのペンとシン・ゴジラには、ボールペンとしての機能以外に映画グッズならではの遊びがある。

USJで購入したヘドウィグボールペンは、白いクリップのところをノックすると「フヨッフヨッ」と鳴く。横に笛の仕組みの穴があり、かなりリアルな鳥の声として可愛く鳴くのだ。ちょっと高めの1000円。

WEB通販で購入したシン・ゴジラのペンには追加機能が二つあり、横のボタンを押すと口の中のLEDライトが青く光り、「グャオ〜ン、ゥオンッ」とゴジラ特有のあの声で鳴く。

こちらの声は録音された音声が再生されるので、鳴いた後の余韻までそのままリアルな声だ。仕組みはよくわからないけれど、長く押しても短く押しても、押し始めに頭から再生されるタイプで「グャ、グャ、グャオ〜ン、ゥオンッ」とか勝手なバリエーションで鳴かせて遊べる。

もしこんなのを大事な会議で使って、うっかりゴジラを鳴かせてしまったら……と、いらぬ妄想をしてみる。ボタンが軽くてすぐ音が出てしまうので、バッグの中を探る時も危険だ。絶対に家からは持ち出さないようにしよう。

ちなみに電池は交換できないようなので、いつまで鳴いてくれるかはわからない。そういえば手のポーズは本物と違い、体と一体感があって、恥ずかしげに胸を隠しているように見えなくもなくて可愛い(笑)。1500円程と高いけれど、機能が二つ付いているので良しとした。

チシャ猫のペンだけは特別な機能がなく、ただ可愛いだけのボールペンである。700円。3本を仲良い感じのポジションでiPhone撮影するのが大変で、左手がつりそうになった。

シン・ゴジラの映画グッズは、他に3Dのクリアファイルとツバメノートを買った。3Dのクリアファイルはレンチキュラーで飛び出すのでかっこいい。レンチキュラーって別の絵に切り替わるタイプや、立体感のタイプなど何種類もあるけれど、シン・ゴジラのものは奥行きと3D立体感のミックスのような感じだ。

レンチキュラーも何層に分かれているかで立体感が全然違うけれど、ゴジラの体部分だけで相当な部位に分けているようでとっても立体的。

アリス・イン・ワンダーランドの3Dクリアファイルも、立体感がすごいので印刷技術の見本としても面白くて集めている。飛び出す絵本ではなく奥に引っ込む世界の中で丸みを再現している。

どんなに進化しても、どこかレトロ感のあるレンチキュラーが好きだ。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/

猫動画が好きだけれど、別の動物の動画を見てみるとその思いもよらぬ可愛さに驚く。ネコに負けないリスの気の強さや、石ころでジャグリングするカワウソの手の器用さ、歌を歌うインコの音感の良さ。

人に飼われたからこそ発見される能力もあるけれど、厳しい自然の中ではそれぐらい当たり前なのかもしれない。泳ぐ魚を捕まえる俊敏性と手の感覚があるカワウソには、動かない石ころなんて、見ないでもお手玉できるんだな。