3Dプリンター奮闘記[84]3Dプリンター・きっかけと縁/織田隆治

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僕が3Dプリンターを使い出して、もうすぐまる五年になります。早いもんだなぁ……と思う今日このごろ。

あの頃、僕は基本的には3DCGや新商品の展示のプランニングや、展示会でのディスプレイのお仕事、そして、たま〜に模型やジオラマ制作をさせて頂いていたんです。

2011年3月11日に忘れもしない、あの東関東の地震がありました。その頃の仕事は、新商品のPR関連が多く、直後から数か月ほどお仕事がストップしました。新商品のPRの自粛、延期ですね。

当時、京都自宅から大阪市内に事務所を出したところで、その影響は結構長く続いて、かなり厳しい状態になって行きました。

まあ、被災された方から見ると、そんなのたいしたことないと言われればそうなんですが、なんとかやっと事務所を出したところで、お仕事が突然激減したんですね。





とりあえず、事務所を撤退して京都に戻ろうとも思いましたが、色々な方から、小さくてもいいから大阪に事務所を残した方がよいというアドバイスを頂いて、小さいビジネスホテルの一室のような所に事務所を引っ越すことにしました。

家賃の負担は少なくなったものの、仕事が増えるわけでもなく、これまでの貯蓄を削ったり、新規のお仕事の営業をやってみて、なんとかギリギリではあったんですが、細々と続けて行くことができました。

この東関東の地震の影響は、思ったより長く響いてきて、このままではマズいなぁ、と思っていました。

その時、ある方から連絡が入りました。

「今度、3Dプリンターを扱っている会社のコンサルティングの打ち合わせに行くけど、一緒に行かないか? 織田さん、そういうの好きでしょ?」

当時、3Dプリンターはまだ世間ではあまり知られておらず、僕もググってみて、「これは面白いものだな!」と直感しました。

3DCGをやっていて、その前は科学館等の模型製作をやっていたり、プラモデルや造形が大好きだったことが幸いしたんですね。

もちろん、関係者でもないのに同行させてもらい、ご紹介頂きました。これが、僕が3Dプリンターに関わるようになったきっかけとなりました。

ちょうどその当時は、コンシューマー向けの3Dプリンターが日本に入って来たところで、まだほとんどの所で3Dプリンターを置いていない状況でした。

関西では、そういうコンシューマー向けのプリンターは、まだ数台しか販売されていませんでした。

先にも書きましたが、その当時、僕にプリンターを導入する資金なんてほとんどなく、どうしても使ってみたかったので、知人や友人、クライアントの方々に相談したところ、みなさんがそれぞれ出資してくださいました。

本当に嬉しかったです。皆さんの優しさと、これまで地味だけど真面目にやって来て良かったと。

そういうわけで、事務所に3Dプリンターがやってきたのです。それからある程度使えるようになった頃、テレビの取材が来たりもしました。

その当時はまだセンセーショナルな機械だったので、次の年あたりは、テレビなどで色々と3Dプリンターが取り上げられていました。

それから数年。まずはFDM(熱融解式プリンター)を使い、色々なものを制作させて頂きました。

そして、ラッキーなことに、あるメーカーの社長さんからオファーを受け、シェアオフィスへのお誘いを受けました。

そこで、当時高嶺の花だったインクジェット光造形のプリンターを導入して、半年ほど商品の開発に携わって行きした。

その後、色々な3Dプリンターに触れることができました。
FDM(熱融解式)
インクジェット光造形
光造形プリンター
粉体プリンター

もともと制作機械が大好きだったことと、メカニカルな物の設計等も行っていたので、自然に3Dプリンターの構造や基礎等を学んで行くことができました。

そうこうしている内に、また一人で少しだけ広い事務所を借りることとなり、新しいプリンターも導入できるようになりました。

そしてしばらくして、大学時代の同級生から「大学で教えてみない?」というお誘いの連絡が入りました。

「僕なんかが人に何かを教えるなんてことできるのかな?」とは思いましたが、チャレンジしてみることになりした。

息子や娘と同い年くらいの学生でしたので、なんとなく気持ちも分かりました。そういった経緯があって、色々な大学や専門学校からお誘いを受け、現在に至っています。

僕が今、こうやって仕事を続けていられるのも、そういった友人や知人のおかげです。人との繋がりが、いかに大切なのかを、ここ数年で痛感しています。

仕事の方も、3Dプリンターを使い出してから、色々浮き沈みもあるんですけど、なんとか順調に行っています。

このデジクリで記事を書くようになったきっかけも、知人からのお誘いでした。始めは、何か別の事を書くつもりだったんですが、せっかく3Dプリンターを使っているから、その当初からのことをまとめて書いて行こうと思った次第。

気がついてみると、たまに3Dプリンターからは外れた記事もありますが、よくここまで続けられてるよなぁ、と思います。

一重にみなさんのおかげ。

こういった経緯で、色々と培ってきた知識や技術を、今若い学生さんに伝授(そんなたいしたものではないですが)して行けることが楽しくてしょうがない今日このごろです。

まだ発表できないイベントも、今立ち上げているところ。これから、もっと沢山の人に、3Dプリンターを使って「モノ作り」をしていってもらうべく、諸々企画中です。

また、このデジクリでも発表して行けるようにがんばりますよ。
今後ともよろしくお願いします!


【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
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