ネタを訪ねて三万歩[139]書店と蔵書についての考え方の変化/海津ヨシノリ

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いつもボーッとしているので、取りたてて気になっているわけではありませんが、今年もあと二か月余りですね。なんだかよくわからないうちに、ここまで来てしまった感じですが、例年とは違った感覚なのは、8月に強行した大掃除が色々と影響しているようです。

ところで、みなさんは本をどこで買いますか? ……今更ながら私はほとんどAmazonで調達します。それ以前、つまりAmazonを本気で利用していなかった頃は、行動範囲内にある幾つかの大型書店とブックオフを活用していました。

しかし、さすがにAmazonに慣れてしまうと戻れなくなってしまいますね。新刊の人気本でも書店にない場合があります。中古の本を探していても、ブックオフで確実に入手できる保証はありません。というか、見つけるのはほとんど絶望的です。

また、新刊本や通常刊行されている定番書籍のようなものを、一般書店で検索するのもイライラします。百歩譲っても、書店内の検索システムが前世紀の遺物のような感覚に陥ります。

情報化時代ですよね……今は。もちろん、無理に目くじらを立てているわけではないのですが、不便だと使わなくなってしまうのは世の流れです。





学生の頃、わりと大きな書店でアルバイトをしていたので、書籍の流れは理解しています。また、今も当時と何も変わっていないことも。だからこそ、乱暴な言い方をすれば、書店では新刊の話題性の高い本以外は見付けるのが困難だと感じています。

ところで、書店では自分の目だけで判断しなくてはなりません。それはある意味、当然のことなのですが、自分にとって専門外の本の場合、価格や発行日よりも、Aamazonの評価がとても参考になります。

「評価数が少なく褒めすぎは怪しい」「評価数が少なく貶しすぎは怪しい」という具合に。また、中古の本は存在の確認と発注、配送の流れがうまくいけば当日にはゲットできてしまうわけです。交通機関と時間を使って探し歩くことを考えれば、論議の意味もないほどAmazonの勝ちになってしまいます。

もちろん、時間つぶしという利用方法も書店にはありました。少なくとも私はかつてかなり頻繁に時間つぶししていました。そして大量の衝動買いを。

しかし、最近の私は時間つぶしなら100均かホームセンターに宗旨替えしてしまいました。書店での情報収集は残念ながら一方向でしかないからです。

ところが、100均やホームセンターなら多方向からの情報収集が可能です。商品を眺めているだけで、色々なアイデアが浮かんできます。

特にオススメなのは工具売り場。実際に使うか否かは関係なく、どんな道具が存在していて、何に使うのかを想像するのがとても楽しいのです。かなり特殊な道具が色々と販売されています。なにより、実際に手にとって感じることができることが嬉しいのです。

しかし、ここで「書店でも多方向からの情報があるのでは?」と突っ込まれそうですが、本当にそうでしょうか。少なくとも書店には文字と写真、そしてイラストしか存在していません。現物は皆無なのです。

我々は、特に私のような仕事の場合、バーチャル空間でものを作り出したりする反動で、どうしても現物を見て触って感じることに貪欲になりつつあります。

少なくとも十年前よりも、強烈にそれを痛感しています。木工やプラモデル、粘土細工を再開したのも、それらが影響しています。まるで原点回帰するかのように。

実はこんなことを書いている私は本が大好きで、つい最近まで本に対して一切の書き込みができませんでした。大きく本を開いて読むこともできませんでした。本を汚したり傷つけたりしたくなかったのです。

ですから、自炊も本当に最近になって少しずつという感じでした。でも、あることに気がついたのです。個人の蔵書は図書館ではないのです。

個人の蔵書は一代限りの収集物でしかないのです。たまたまそれが情報あるいはデータ的なものであるために、図書館的な感覚に陥っていたのではないでしょうか。

どんな資料やデータ、あるいは収集物であっても、第三者から見れば不必要なモノでしかありません。本人が消滅してしまえば、不必要となる可能性の方が高いのです。

そう考えるようになった時点で、本に対する、いや蔵書に対する感覚が180度変わりました。

なんとなく寂しい感覚に襲われそうですが、持っているだけで読まなければ、どんなにきれいな初版本であったとしても、なんの意味はありません。ボロボロであっても読み切っていれば、内容を理解できていれば、その本は価値があったことになります。

昔、拙著を「ボロボロになるまで読みました」と、ある方から言われた時は本当に嬉しかったのです。でも、自分ではそれができない。ボロボロになるまで読まれることは、作者にとって嬉しいことのはず。それをやっと悟った次第です。ちょっと遅かったかもしれませんが……。

それと、Amazonならではのメリットは、重複購入を防げることですね。過去に購入した本の情報が残っているので、二度買いの心配がありません。

先日、七年ほど前にある原稿執筆で必要になり、買い求めた専門外の用語集のような本の存在をすっかり忘れ、Amaoznで購入しようと思いました。

もちろん「2009年に購入しています」とメッセージが表示され、無駄な買い物をするのを防げました。すぐに部屋の奥からそれを発見できたことは、言うまでもありません。これは夏の大掃除のおかげです。エアコンが壊れてくれたことに感謝ですね。

さてさて、実は今回のネタには大きなオチがあります。薄々気が付いた方もいるかも知れませんが、私は書店の利用方法を絞って天秤にかけていたわけです。

実際は「どんな本が出ているのだろうか?」という、宝探し的な使い方が多かったはずです。少なくとも私はそうでした。ネットではほとんどそれは難しい芸当。一部分を試し読みできたりしますが、まだまだ中途半端です。

ただ、そういった宝探し的な書店の利用方法が、だんだん難しくなっているのも確かですね。雑誌類はほとんどシュリンクされていますし……。だからこそ、それが書店復活のひとつのヒントなのでは、と勝手に考えていますが、良い方向に向かって欲しいものです。

■今月のお気に入りミュージックと映画

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[ラムのラブソング]by 松谷祐子 in 1981(日本)

ご存じ「うる星やつら」のオープニング曲で一番有名なものです。このアニメ好きだったんですよね〜。高橋留美子ワールドはどうしてものめり込んでしまいます。なんだか唐突にこの曲が聴きたくなってしまった10月の頭、という感じデス。

うる星やつら


[Sinister Squad]by Jeremy M. Inman in 2016(U.S.A)

邦題「アリスvsモンスター・スクワッド」。おとぎ話の悪役が大集合するアクションファンタジー。世界を狙う“死神”を倒すべく、アリスはおとぎ話の悪党たちを集めたチームを結成する……ということで、あまり考えずにレンタルしたのですが、見事に大外れでした。あまりにも外れすぎていたので今回はネタにしてみます。

ストーリーがイマイチよくわからない。無名俳優という理由だけでなく、演出も適当すぎて学芸会以下的なノリ……ロケ地もチープ過ぎて、学生の映画でももっとまともでしょ……という感じ。

そもそも死神と戦う悪役キャラが、グリム童話の「悪魔の名前当て」の悪役ルンペルシュティルツヒェン、イギリス童話「3びきのくま」に出てくるゴルディロックス、ペロー童話「青ひげ」の青ひげ、「不思議の国のアリス」のマッドハッター、トゥイードルディーとトゥイードルダム。

その他……オオカミ男、人食い魔女……。もうワカランチンの世界。ボーッとしているときにポチると確実に失敗しますね。正直、10分ぐらい見て時間の無駄だと感じました。

Sinister Squad - Official Trailer 2016



【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
http://www.kaizu.com
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仕事関係で、私が言ってもいないことを、言ったように吹聴されるトラブルが発生しました。詳しいことは書けませんが、年下の女性であり、反論は出来ない流れです。プライドが異常に高く、常に自己中心的な方のです。

こうなったら、私はひたすら関わらないようにするのが精一杯。関わっていなければ、ネタにされることも無いですからね。

ちなみに、私が本当にそんなことを言っていないということは、複数の方が把握しています。どうしてこんな馬鹿なことが発生するのか理解に苦しみますが、正直、最近は妙な方が多いですからね〜。困った問題です。


◎11月の画像処理セッションは11月17日(木)の予定ですが、現時点ではまだ未定です。詳しくは私のブログかFacebookでご確認ください。

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