映画ザビエル[22]日本のいちばん長い日/カンクロー

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◎シン・ゴジラ

原題(英題):GODZILLA Resurgence
公開年度:2016年
制作国・地域:日本
上映時間:119分
監督:庵野秀明(総監督)、樋口真嗣(監督・特技監督)
出演:長谷川博己、石原さとみ、竹内豊

●だいたいこんな話(作品概要)

東京湾沖で大量の水蒸気が噴出、東京湾アクアラインでもトンネル崩落事故が発生する。政府は海底火山の噴火を含む、自然災害による非常事態と判断し早急に対応すべく動いていた。

しかし、一般人の目撃情報や撮影された動画によって、ネットなどのメディアでは巨大生物存在の可能性が浮上。

内閣官房副長官の矢口蘭堂は、内閣府において唯一この可能性を危惧し、意見するも却下される。そんな中、多摩川河口から巨大生物は川を遡り蒲田へ上陸、四つん這いの水棲生物のような姿で、都心へ向け進行してしまう。





●わたくし的見解

昨年は「マッドマックス」でしたが、今年は「シン・ゴジラ」かなと思っている私だよ。(←勇者ヨシヒコ第3期スタートへのオマージュ)

個人的な見解のみならずヒット状況を鑑みても、多くの方が今年の一本に選ばれる作品だと、まだ8月の段階でしたが確信しました。

「君の名は。」と双璧をなすことになるのでしょうが、東宝社員の来季のボーナスに羨望の眼差し。映画に限らず、大ヒット商品が出るというのは、何となく世の中が明るくなって良いものです。

私は夏に「シン・ゴジラ」を鑑賞しまして、同じ時期にたまたまテレビジョンで季節がら、終戦がらみの「日本のいちばん長い日」が放映されていました。

評判の良い作品でしたし、ノーカット版だったのでCMすっ飛ばしつつ観たところ、確かに良い映画でした。

「永遠の0」などに代表されるようなタイプの反戦(?)映画作品とは、切り口がまったく違って実に興味深く、この切り口が奇遇にも「シン・ゴジラ」と似ていることよ。と面白がっておりました。

それは「事件は会議室で起きている」感と、その会議室の熱気。やたらと規模の大きな事件を、狭い空間で侃々諤々と意見をたたかわす人々の様子を通して見せる手法は、決して新しい試みではありませんが巧みでした。

特に本作に関しては、会議室と現場の作品内でのボリューム配分が見事であったと思います。

ムツカシイ言葉の応酬についていけなくても、グイグイ引き込まれる展開のテンポの良さによって、優れた娯楽作品として成立していたのではないでしょうか。ちびっ子には少々きびしい作品だったかも知れませんが、働く大人であればあるほど、会議室で起こっていることにニヤニヤしたはずです。

ところで劇中、ゴジラの産みの親である博士についての情報が語られるシーンで、資料として博士の顔写真だけがチラッと映ります。ちょっと胡散臭い、有名な俳優さんが妙な変装をしているような雰囲気のもので、カルトなカメオ出演なのかと思っていたのですが、写真は岡本喜八監督のお顔だったようです。

奇遇と紹介した「日本のいちばん長い日」。この夏テレビ放映されたのは原田眞人監督の2015年の作品でしたが、1967年にも岡本喜八監督で映画化されています。

こちらも三船敏郎、笠智衆によるオールスターキャストで評価の高い作品です。私は未見ですが、実は岡本喜八監督バージョンの方がますます「シン・ゴジラ」とのシンクロ率が高いそうで、奇遇でも何でもない、全ては庵野監督のシナリオどおりだったと言う訳です。してやられました。

ちなみに石原さとみさんの英語力については、ネイティブに聞こえるかどうかはさておき、さすがAEON(イーオン)に通っているだけの甲斐はあったなと思いました。おっさんハートの私としては、たとえ下手でも、さとみん可愛いから許すといった感じです。

今年もあと二か月ほどですが「シン・ゴジラ」のおかげで、2016年も満足のいく映画イヤーとなりました。合掌。


【カンクロー】info@eigaxavier.com
映画ザビエル http://www.eigaxavier.com/

映画については好みが固定化されてきており、こういったコラムを書く者としては年間の鑑賞本数は少ないと思います。その分、だいぶ鼻が利くようになっていて、劇場まで足を運んでハズレにあたることは、まずありません。

時間とお金を費やした以上は、元を取るまで楽しまないと、というケチな思考からくる結果かも知れませんが。

私の文章と比べれば、必ず時間を費やす価値のある映画をご紹介します。読んで下さった方が「映画を楽しむ」時に、ほんの少しでもお役に立てれば嬉しく思います。