crossroads[37]翻訳サービスに潜むリスク
── 若林健一 ──

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こんにちは、若林です。

11月26日、デザイン・クリエイティブセンター神戸で開催された「神戸ITフェスティバル2016」に参加してきました。

「神戸ITフェスティバル」には、2013年に当日スタッフとして初めて参加し、以後3年間当日スタッフを続けてきましたが、来年からは「Comin' Kobe」というイベントと合体し、新たに「078」として生まれ変わるとのこと。

当時、ほとんど何の接点もないのに当日スタッフとして飛び込みましたが、スタッフのみなさんにはとても親切にしてくださり、イベント後も繋がっていただいた結果が今へと続いています。

今、自分が色んな活動ができるようになったきっかけのひとつでもあるので、別イベントとして継続するとは分かっていても、名前がなくなってしまうことに一抹の寂しさを感じます。

開催日が5月のGW期間中になるとのことなので、お手伝いできるかどうかはわからないけれど、出来る限り関わっていきたいなと思っています。

「神戸ITフェスティバル」のみなさん、本当にありがとうございました。

Comin' Kobe
http://comingkobe.com/


神戸ITフェスティバル
http://kobe-it-fes.org/




●賢くなったGoogle翻訳

さて、先週書きそこなった本題です。

既に他の方も話題として取り上げておられますが、Google翻訳が賢くなったということで大きな話題になりました。

それまでのGoogle翻訳といえば、数あるGoogleのサービスの中で使えないやつの筆頭であり、ネットでもネタにされるほどの翻訳精度。

今回の変化は、こないだまで学年で成績最下位だった子が学年トップに躍り出たような、たどたどしい英語喋ってた子がネイティブ並みにしゃべりだしたみたいな大きな変化で「Google翻訳君、何があったの?」って感じでした。

進化の理由は、Googleが翻訳エンジンに「ニューラルネットワーク」という人間の脳を模した技術を導入し、それが今回「日→英」翻訳にも適用されたこと。

どうして、「ニューラルネットワーク」を導入すると翻訳が賢くなるのかについてはさっぱり理解していないのですが、「人工知能の技術を使って、ものすごくできる翻訳者のモデルを作り、それを翻訳エンジンに導入したから人間が翻訳しているのと同じぐらいの精度になったんだろうな」と勝手に解釈しています(間違ってたらすみません)。

なぜGoogle翻訳は賢くなれたのか
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1611/27/news012.html


中の仕組みは賢い人に任せるとして、今回の翻訳精度向上は利用者として非常に嬉しいです。

私も、英文を書く時には翻訳サービスを使うことがあったのですが、これまではYahoo!翻訳、一択。自分の中では、いくつか試した中で一番精度が高いと感じられたのは、Yahoo!翻訳でした。

Yahoo!翻訳
http://honyaku.yahoo.co.jp/


精度が高いといっても中には明らかにおかしいものもあり、そのまま鵜呑みにはできないので自分の場合は、日→英は単語の意味を辞書で引く代わりに(単語をひとつひとつ)、英→日は自分で作った英文がおかしくないか(意図した日本語に翻訳されればOK)というように使っていました。

これが今までの翻訳サービスの私の印象ですが、今回のGoogle翻訳に関しては、翻訳結果をそのまま使えそうな印象ですね。

ただし、今のところニューラルネットワークの技術が導入されたのは日→英のみで、英→日はまだとのことですので、その点は注意が必要です。

●翻訳サービスを使う上で気を付けたいこと

翻訳サービスを利用する上で、注意しなければならないことがあります。

それは、翻訳したい文章をそのまま全文翻訳しないことです。特にビジネスユースの時には注意が必要。

例え翻訳サービスと言えども、文章をネットに投げればそこには漏洩のリスクがあるということを、常に頭においておかなければなりません。

仕事上での海外とのやり取りで翻訳サービスを使う方は多いと思いますし、今回のように精度が上がると更に利用しやすくなると思いますが、メールの本文や契約書などの文章をそのまま翻訳してしまうと、それらの情報が漏洩する危険性があります。

Googleのようにアカウントを作って利用するサービスの場合、その文章を誰が出したのかも分かってしまいます。利用しているネットワークの情報からどこの企業からのアクセスかも分かる場合がありますから、それらの情報を組み合わせれば、サービスに送った情報以上の情報が類推できるかもしれません。

できれば翻訳したい文章をそのまま送るのではなく、会社名や商品名など具体的な情報になるものは、別の言葉に置き換えた方がいい。

また、文章も必要なところだけを抜き出して利用する方が安全でしょう。

せっかくサービスが賢くなったのに、手間をかけるようなことをするのはもったいないのですが、念には念を入れということ。

決してGoogleやその他の翻訳サービスがデータを悪用しているというわけではないのですが、考え方としてはそういうことも可能であるということは、常に頭に置いておくべきです。

ただより高いものはないのですから。


【若林健一 / kwaka1208】
http://kwaka1208.net/aboutme/

CoderDojo奈良・生駒〜子どもためのコーディング道場〜
http://coderdojo-nara-ikoma.github.io/