明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
去年は充実した一年を過ごせたのですが、制作に没頭するあまり引き籠りがちでした。今年は積極的に外出し、かつ制作もバリバリとやろうと思います!
そこでもうちょっと具体的な目標を、自分メモ用として記しておきます。
1◎制作全般
・原画の物質性
今までは、作品はデータの中だけに存在していてもいいくらいの気持ちがありました。何と言ったらいいのか、物質よりも観念が好きだったんですね。
いま思うと「じゃあ、何で画家なんてやってるんだ?」という感じもしなくはないですが。。
今後は原画の「物質らしさ」を意識して作品化しようと思ってます。
例えば、光る物質を使うとかです。画像データからは復元できないような原画にして、「原画」と「画像データ」を切り離す方向です。
当たり前じゃんと思ったりもするのですが、今まで自分は原画と画像データって割と同じ意味だったのです。「自分の絵はプログラムで描画して、データとして保存しておけばいい」と思っていたくらいでした。
ところが、思ったよりも早くテクノロジーが進んでるようです。あらゆるモノがコンピューティング可能になって行くこれからの世界では、一方で物質に特別な意味が発生しそうなのです。
例えるならば、音楽が「定額で無制限ストリーミングで聴ける時代」になった今、なぜかレコードが売れている、みたいな現象です。
学者の落合陽一氏が「デジタルネイチャー」という概念を提唱していますが、今のところ、まだ物質世界と情報世界に開きはあります。
http://www.sensors.jp/post/ochiai_2.html
いずれ「デジタルネイチャー」のようなことは訪れるような気がしていますが、もしそうなったとしても、物質性の高い作品が無価値化されることはないでしょう。
コンピュータと混ざっている身体・物体・生命体が巷に溢れ、アートもコンピュータと混ざったものが、アナログインターフェイスで多く登場するような気がします。
そこに(コンピュータと混ざってない)素材で作られた物質の作品は、「時間」という価値を持ちそうです。
「フェティッシュな作品」には古臭さや趣味性がまとわりついて、あんまり関心が持てなかったのですが、趣味性の問題を上手にクリアすれば未来形だと今は考えるようになってきました。
そうすると素材研究が必要になりますが、画家とはそもそも素材研究者でもあったわけで、ようやく画家らしいことを始めることになります。
今までペンや紙の種類による描き具合の素材比較などは沢山してきたのですが、それは「素材との対話」で、どちらかというと素材との内的な関係の研究です。これからは「表現物としての素材の研究」、外的な関係も精力的にやって行こうと思います。
・音楽の具体性
僕の絵は音楽を記してる線画で、「線譜」と名付けています。線譜の初めの頃は、「アンビエント」や「ノイズ」を描いてきました。
メロディやアンサンブルがしっかりと構築されている楽曲よりも、音符にはならないような音に興味があったからです。
そのような「即興的な自然音・ノイズ音」を出発点として「線譜」を描いてきました。しばらくそうやって描いてるうちに、楽曲のような構築にも興味を持つようになってきます。
それまでは抽象的な線の集積だったのですが、具象的な線も顕れてきます。そして、ボーカルのある曲も描きたいと思うようになり、人やキャラクターが登場することになりました。
最初は「曖昧で抽象的な音」を描いてたのですが、「インストゥルメンタルな楽曲」を経て、ポップスやロックの「歌曲」を線譜にしようと思うようになりました。
「インプロビゼーション」から始まって「作曲」まで、という感じです。
これからは、ノイズ・アンビエント性を残しつつも、構造を持つ音楽の「線譜」を描いて行こうと思ってます。その為には「デッサン」という原点をおさらいする必要もあって、「ああ、基本に帰るんだなあ」と思うのです。
制作全般としては、まとめると「絵の伝統的な基礎をやる」ということになり、ストリート出身の自己流で形無しの画家が、50歳手前で「普通の基礎」にたどり着いたことになります。
ある意味今年は「画家の一年生」なのかなあと。毎年、「自分もようやく最近、絵というものが描けるようになってきた」と思うんですけどね。
〈具体的な制作について〉
・「ネズミに恋したネコのタムちゃん」
http://take-junichiro.tumblr.com/post/51032588456/%E3%83%8D%E3%82%BA%E3%83%9F%E3%81%AB%E6%81%8B%E3%81%97%E3%81%9F%E3%83%8D%E3%82%B3%E3%81%AE%E3%82%BF%E3%83%A0%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93
これを物語に沿った絵本となるような線譜を制作
・具体的な楽曲を線譜にする
例えば、バッハの『無伴奏チェロ組曲 第1番』とか、
エリック・サティの『ジムノペディ第1番』とか。
ヴォーカルのある曲ならMy Bloody Valentineの『Soon』とか。
あと、挑戦したいのは日本語の歌です。
例えば、遊佐未森の『僕の森』とか、
戸川純の『パンク蛹化の女』とか、
大森靖子『TOKYO BLACK HOLE』とか、
さだまさしの『雨やどり』とか。
勝手に誰かの曲を線譜にしてもいいのですが、仕事として音楽のジャケ絵で線譜を制作したいです。「線譜」と名付けて7年、ようやく本当に線譜らしくなりそうです。
2◎メンタルとフィジカル
・意識を良い状態に保つ
そのためには健康であることなのですが、特に心がけることは謙虚さを大切にしながらも「強気」で行くことでしょうか。
意外だと思われるかも知れませんが、自分はすぐに弱気になってしまう癖があるのです。強気くらいがちょうどよい気がします。
それから、自分の無意識に「ありがとう」と言ってやれるようにする。もし仮に「自由意志はほとんど存在しない」となると、
http://wired.jp/2016/06/13/free-will-research/
僕らはほぼ無意識に支えられているわけです。
かろうじて自分を自分だと認識してる「意識」という隙間から「僕という宇宙=無意識」に向かっていつでも「ありがとう」と言えるようにスタンバイしていたい。
すごく卑近な例で言うと、ふとした時にプチフラッシュバックみたいなのが起こるのです。で、「ちくちょう!」とか「俺はバカだ!」とか口走るのですが、これを直したい。きっと、自分の潜在宇宙に卑屈で自己否定的な記憶とエネルギーが、轟々と渦巻いているのでしょうな。
残りの人生は、いつでも嬉しいことがパッと思い浮かんで、ふわぁ〜っとなって「ありがとう〜(ハートマーク)」と口走るような、お花畑が広がりまくっている脳構造で生きて行きたい。
ただそうは言っても「心の闇」は消し去ることはできないし、無理してなくそうとしてもよくないと思うので、「フォーカスする場所を変えていく」ということでしょうか。
あと、散歩する。瞑想する。ちゃんと食べてちゃんと寝る。
3◎アーティストとして経済自立
これが最も重要な課題です。まず「どうやればアートで経済自立ができるのか」のモデルが分からないのですから。
思い付くことは「自立可能な価格設定をしていく」です。そのためにも「強気」は必要ですし、「くそったれ!」って口走る脳を凌駕する「ありがとう〜(ハートマーク)」シナプスを結合させる心がけも必要です。
ひとつひとつ良い仕事をしていけばきっとなんとかなるでしょう。
2020年に向かって「普通に食えてるアーティスト」を目指します。
今年もよろしくお願いします!!
【武盾一郎(たけじゅんいちろう)/脳味噌お花畑推進委員会】
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『トンドの夢想家たち展IV』京橋ギャラリーオルテール
2017年1月10〜14、19〜21日(全8日)
http://or-terre.jimdo.com/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9/
トンド(円)絵画の展示会です。新作線譜を出展します!
オルテールの定番人気展です。円い絵がいっぱいあって、どなたでも楽しめますのでぜひお立ち寄りくださいませ!
目指せジャケ買い!『星野智幸コレクション・全四巻』(人文書院)
星野智幸コレクションI スクエア
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226418.html
星野智幸コレクションII サークル
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星野智幸コレクションIII リンク
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星野智幸コレクションIV フロウ
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226417.html
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