[4262] 森園みるくさんと電波系のヤバい人たち

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 森園みるくさんと電波系のヤバい人たち
 GrowHair




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https://bn.dgcr.com/archives/20170113140100.html

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いまだかつてケータイというものを所有したことのない私だが、通信に不自由しない相手が何人かいる。条件は、脳から直接電波を出し入れでき、なおかつ波長が合っていることである。漫画家の森園みるくさんは、間違いなくその一人である。

元日、伊豆で森園さんの漫画を二冊ゲットして、読みながら帰り、夜、ご本人と一緒に中野で飲んだ。かつて部屋に散乱していたパンティーやブラジャーは見知らぬ誰かが着用したもので、ダンナさんがゴミを漁って拾ってきたものだそうである。

そのうちダンナさんと一緒にゴミ漁りに出かけるようになり、そういう宝が入っているのは袋を見るだけでピンとくるようになったという。そう言えば、女装したくてかつてゴミを漁ったという、キャンディ・ミルキィさんも同じようなことを言っていたなぁ。

キャンディさんの場合は、家族にバレないように、収穫物を縁の下に隠してお
いたのだけれど。そしたら、猫がそこで子供を産んでたとか。

12月26日(月)、会社の連中と新橋で飲んだ帰り、一人になってから、中野の居酒屋「うまみや上戸」に立ち寄った。舞茸を頼むつもりで、うっかりエノキを頼んでしまった。両方は食べきれないので、あきらめてまた来ようと思い、年末年始の営業日を聞いてみると、大晦日だけ休みで、年明けは元日からやっているという。

いくらご近所でも、家庭のある人を元日に誘うのは気が引ける。その点、ダンナさんを亡くして独り身の森園さんならいいかなと思ってお誘いしたところ、来てくれたというわけである。

赤ワインをデキャンタで二杯、ということは、ほぼ一本分か、一人で空けた。場所を移して、今度は日本酒。そこで歌っているところを森園さんに撮られている。意外とまともだ。

写真:
https://goo.gl/photos/ameRYxqhg3CXu25z9


●少女漫画家と鬼畜系ライター

Wikipediaによると、森園みるくさん (1957年12月25日 - )は、山口県徳山市(現・周南市)出身の漫画家、写真家である。

公式ウェブサイトを見ると、絵が貼ってあり、約3秒ごとに別のに切り替わる。花鳥風月を愛でる日本の民芸的な伝統美を思わせる、乙女チックでロマンチックな絵がまず土台にある。

その上で、露骨にSMチックというわけでもないが、ワイルドな色香がほんのりと漂う描写がある。一方では、やや耽美がかっていたり、ホラーがかっていたりして、暗くて怖いトーンの描写もある。複雑な味わいだ。
http://morizono.babymilk.jp/


著書には、例えば、下記のがある。

 森園 みるく
 『キアラ』
 祥伝社(1992/10)

 森園 みるく(著)、村崎 百郎(原作)
 『まんがグリム童話 クレオパトラ氷の微笑』
 ぶんか社D(2005/2/10)

『グリム童話』の原作者の村崎百郎氏とは、ダンナさんである。

Wikipediaによると、村崎百郎(むらさき ひゃくろう、1961年 - 2010年7月23日)氏は、フリーライター(自称:鬼畜系ライター)、漫画原作者。

“電波”が頭の中に響く体質であると公言し、その狂気に満ちた特異なキャラクターと豊富な知識で書かれる、秀逸かつ猟奇的な文章で「鬼畜系」の地位を築き「電波系」という言葉を定着させた。

『月刊漫画ガロ』1993年10月号の特集「夜、因果者の夜」で、特殊漫画家の根本敬によるゴミ漁りのインタビューでメディアに初登場する。

1990年代のいわゆる悪趣味ブーム・鬼畜ブームにおいて「すかしきった日本の文化を下品のどん底に叩き堕とす」ことを目的に「鬼畜系」を名乗り、この世の腐敗に加速をかけるべく「卑怯&卑劣」をモットーに日本一ゲスで下品なライター活動を始める。

ゴミ漁りのノウハウを詳細に解説した『鬼畜のススメ』(データハウス)や自身の電波体験を綴った『電波系』(太田出版) といった著書を世に送り出し、世紀末から2000年代にかけて活動した。

2010年7月23日(金)、読者を名乗る32歳の男性に、東京都練馬区羽沢の自宅で48か所をメッタ刺しにされ殺害された。自ら警察に通報して逮捕された容疑者は精神病により通院中で、精神鑑定の結果、統合失調症と診断され不起訴となった。

練馬警察署の調べによると、当初容疑者は根本敬を殺害する予定であったが、根本が不在だったため『電波系』の共同執筆者であった村崎の自宅に向かったという。

伊豆の「まぼろし博覧会」施設内の一角に「村崎百郎記念館」が設けられている。村崎氏の部屋の状態が再現されており、どこの誰が着用したとも知れない女の下着が散乱している。ブツは、実際に部屋から発掘されたものである。
http://www.murasaki100.com/a0700.html


●一日違いのすれ違いから五日後の衝撃の出会い

森園さんとの衝撃の出会いは、2015年9月18日(金)配信分で書いている。
https://bn.dgcr.com/archives/20150918140000.html


簡単に言うと、次のようなことである。「まぼろし博覧会」にはかねてよりずっと行かなきゃと思っていたのだが、やっと行けたのが8月11日(火)。戻ってきてから、夜、映像作家の寺嶋真里さんと打合せがあった。

聞くと、寺嶋さんは翌日、行くことにしているという。しかも、関係者が集結することになっていて、その中には森園さんもいるという。やっと行けたと思ったら、たった一日だけ早すぎたと。なぜそうなる?

そしたら、5日後に、偶然、森園さんとお会いすることができたのである。コミケの後、人と会う用事がふたつあって、自宅の最寄駅まで戻ったのが真夜中近くになっていた。そんな時間なのに、猛烈な雷雨。

私よりも前から雨宿りしているおばさんがいる。壁に背をつけてしゃがみ込んでいる。スカート丈は割と長いけど、なんか見えそうできわどい。って、おばさんのを見てもあんまりおもしろくないか。とか何とか思っていたら、こっちを見て立ち上がった。ドキっ。「森園みるくです」。えっ?

●海老で鯛を釣らんかな、の映像制作

12月11日(日)、中野区の小さな公園で、両手でアルファベットの形を作りながら「DMM! DMM!」と連呼する映像の収録があった。

コンテストへの応募作品である。30秒以内のCM映像を作って応募し、優勝すれば賞金300万円がもらえるというもの。「DMM CM AWARDS」。
https://cmawards.dmm.com/


DMMといえば、アダルトDVDをネット通販する会社というイメージがあるけど、急成長して規模が大きくなり、事業内容も証券だとか英会話だとか手広くやるようになっている。多様なサービスを提供するDMMをアピールするようなCM映像を作ってみてください、ってことらしい。

制作した映像を公開モードでYouTubeへ上げて、説明欄に特定のテキストを含め、タグ欄に「DMMCMAWARDS」と入力することでエントリーできる。2016年11月1日(火)に作品応募受付を開始している。

今回、私を使って映像を制作してくれたのは「チームUMM」。その三人のメンバーとは、映画作家のうずまきまきお氏、森園みるくさん、寺嶋真里さんである。

このコンテストのことを誰がどうやって発見したのかは知らないが、12月5日(月)の夜にチームUMMのお三方と中野の行きつけの焼き鳥屋「ももや」で打合せした時点で、彼らはすでに大盛り上がりで、賞金300万円はもうもらったも同然、ぐらいの気勢の上がりようであった。

11日(日)9:30amに待合せ場所に行くと、けっこう詳細な絵コンテが用意されていた。最終的なアウトプットとしては、30秒以内の映像が2本になる予定だが、収録は3時間に及んだ。寺嶋さんから、けっこう細かく指示が飛んできて、何度も何度も同じシーンを撮りなおした。

大根を自認する私としては、そういうのはたいへんありがたい。何回撮りなおそうが、視聴する側にとっては知ったことではなく、一回でもいいのが撮れたら名役者なのだ。数打ちゃ当たる大作戦。

まあ、ちとばかり寒いのが多少コタエたが、そこは「年寄りの冷や水」という名の痩せ我慢でがんばった。

もちろん私は、言われたから義理でしぶしぶってことはまったくなく、やるからにはと主体的な気持ちで臨んだ。収録場面も、みんなそれなりに気持ちに張りがあって、いいムードだった。楽しかったし、不満はまったくない。そこはいいんだけど、しかしですねぇ……。

目の前にニンジンをちらつかされて、鼻息を荒くしている馬の人たちには悪いけど、こんな安直で低予算な制作過程で、あの高額賞金が獲得できるような気が私にはぜんぜんしないんだよねぇ。

テレビのCMだったら、ふつうに数千万円のオーダーの予算をかけて制作するものだ。映像の出来栄えが、かけた予算に比例するってもんでもないけれど、低予算なら低予算なりに、小道具にものすごい手間暇をかけてカバーするとか、なんか工夫がなければ、見劣りするのは避けられないよね。

まあ、他の応募者たちがどれくらいがんばってくるかによるんだろうけど。あんな無邪気にはしゃぐ気持ちにはなれないんだけど。ごめんよぉ。

●元日は伊豆で著書をゲットして中野で飲む

1月1日(日)に飲みに行きませんか、と森園さんをお誘いしたのは12月28日(水)のことで、その日のうちにOKの返事がいただけた。

一冊ぐらい読んで予習しておくべきだろうと思ったが、アマゾンで検索かけると、Kindle版が圧倒的に多く、紙のがあんまりない。あっても、届くまでに日数がかかったり、値段がものすごく高騰してたり。

去年の2月11日(木)に伊豆の「まぼろし博覧会」に行ったとき、館内に森園さんの著書が積んであって、「ご自由にお取りください」とあった。ただし、脇に小さな賽銭箱が置いてあり、好きな金額でよいので、お布施を、とあった。まだあるだろうか。

ちょっくら行ってみよう。と言っても、12月28日(水)までは仕事があり、29日(木)〜31日(日)はコミケがあるので、1日(日)当日に行ってくるしかない。

9:25新宿 - 11:16伊東、特急スーパービュー踊り子3号、伊豆急下田行。7号車8番D席。なぜか海側の席が人気で、富士山側はガラッガラ。富士山、すんごくきれいに見れたんだけどなぁ。

12:00伊東駅 - 12:26梅の木平、東海バスぐらんぱる公園行。590円。

館長のセーラちゃん、いっそうド派手になっておられる。このお方、実は「データハウス」という出版社の社長、鵜野義嗣氏であらせられる。まったく贅肉がなく、体脂肪率8%を誇る。非っ常〜に元気である。

無料でふるまわれているかき氷を、戸外で扇風機の風に当たりながらいただく。トッピングは、すりおろしにんじんを選んだ。かき氷とは甘いものだと刷り込まれている意識が、ぶーぶーと違和感を唱える。

去年1月3日(日)に来たときに巫女さんになっていたはちみさんに、またお会いできた。

ミニセーラちゃんのご両親は、この場所で結婚式を挙げたとのこと。


県道はそれなりの交通量があり、われわれがお立ち台に上がって踊っていると、減速して眺めていくのでプチ渋滞が発生する。手を振ってくれる人も多くいる。

・へ!? セーラー服おじさん静岡で踊ってるんだけど笑
14:41 - 2017年1月1日

・始発で伊豆高原来ました。ほぼ寝正月だったけど伊豆でセーラー服おじさんが踊ってるのみれたからいいスタートきれるんじゃないかな。
20:32 - 2017年1月1日

・昨日、伊東市を車で走ってたら道端でセーラー服おじさんが1人で踊ってたwまさか伊豆で見るとは(・・;)
11:39 - 2017年1月2日

で、森園さんの漫画だけど、読み筋通り、ちゃんと置いてあって、2冊ゲットできた。

夜、森園さんは、妹さんと姪っ子さんを連れてきてくれた。元日からきれいな女性3人をはべらせて飲めるとは、縁起がいい。

●人生の裏の道を知ったる人々の飲み会

森園さんとは5日(木)にもお会いしている。まぼろし関係者飲み会があり、ゴールデン街のお店と「ロフトプラスワン」の上の階のお店に行っている。

マンタムさんと久々に再会した。ミニセーラちゃんの母親であるkarumaさんがいらしていた。

肝心のセーラちゃんは多忙とのことで来られなかったが、勘定はぜんぶ持っていただけていて、たいへん恐縮である。社長! 太っ腹! 痩せてるけど。

飛び交う話題がなんだかものすごかった。さすが、データハウス関係者、人生の裏街道を歩き慣れてる猛者たちである。ここにはとうてい書けないような裏情報が出るわ出るわ……。やばい、やばいって。

私は何の変哲もない、ごくごく普通の人なもんで、データハウス的な話題でご提供できるものが何ひとつなくて、すみません。

●CM 完成!! ブホッ、ブホッ!

寺嶋さんから、「CM完成!!」という件名の、鼻息まで伝わってきそうなメールが届いたのは、1月9日(月)のことである。

まあ、私がとやかく言う前に(って、すでに言ってるけど)、まず、映像をどうぞご覧ください。

『DMMのCM JK 人文字編』。


『DMMのCM JK 青春編』。


いかがでしたでしょうか。……。ええと、いかがでしたでしょうか。……。空調の音しか聞こえませんが。

もしよろしければ、右下にある親指上向きの「高評価ボタン」を押していただけるとたいへんありがたく存じます。

賞には「最優秀作品賞」(1作品)のほかにも「優秀作品賞」(1作品)、「特別賞」(1作品)、「審査員賞」(5作品)等が用意されていて、授与対象の総数が18作品ある。賞金総額は500万円相当である。

一方、説明文に含めるべき文字列で検索をかけると、1月12日(木)の昼の時点で、応募作品は22点だけ。これは案外、広き門かもしれない。下位の賞だって、もらえればそれなりに大きい。

視聴回数でランクづけしてみると……。
第1位 │ 268回 │『挑戦します!』
第2位 │ 215回 │『DMMのCM JK 人文字編』
第3位 │ 204回 │『パンサー竹山ノしつもんコーナー』
第4位 │ 170回 │『DMMのCM JK青春編』
第5位 │ 147回 │『カサブランカな夜』

われらがUMMチームのは、2位と4位。いい線いってるとも言える。1位にのし上がれたら嬉しいけどなぁ。

右や左の旦那様、淑女さま、お坊ちゃま、お嬢さま、ぜひぜひ見に行っていただけると〜。「高評価」ボタンも押していただけると〜。ついでに拡散もしていただけると〜。よろしくお願いいたしまする〜。

m(_ _)m

アクセス数はともかく、クオリティとか本気度とかはどうなんだろ? なんだよ、他のもたいして金かけてなさそうなのがほとんどだなー。

賞金300万円を本気で狙いにきて、100万円ぐらい投入するヤツが出てくるかと思ったんだけど。いないか。これはひょっとするとひょっとしたりなんかするかもな〜。

しまった! オレが1回ずつ視聴回数増やしちまったぜぃ!

締め切りは1月15日(日)である。これは、当初12月18日(日)だったものが、4週間延長されてのことだ。応募点数の少なさに困った感じが伝わってくる。

上がってるのを一通り見た上で、オレのほうがもっとマシなの作れるぞ、と思われた方は、あと二日でがんばってみてください。


【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
http://www.growhair-jk.com/


〈横須賀線と東海道線の渡り線〉

1月1日(日)、9:25新宿駅発の特急スーパービュー踊り子3号伊豆急下田行に乗っていて、腰を抜かさんばかりにぶったまげたことがある。横浜駅の手前で横須賀線から東海道本線に転線したのである!

JR埼京線と湘南新宿ラインが共有する軌道は、大崎駅で3つに分岐する。ひとつは、りんかい線へ直通し、地下へ潜る。埼京線からの直通列車が利用する。

ひとつは、横須賀線上り東京方面へ合流する。特急成田エクスプレスが利用する。残るひとつは、横須賀線下り逗子方面へ合流する。湘南新宿ラインの列車が利用する。

湘南新宿ラインは、横須賀線をそのまま走って逗子駅に至る列車のほかに、東海道本線に入って、平塚駅、国府津駅、小田原駅などに至る列車がある。それらは、どこかで横須賀線から東海道本線に渡る必要がある。

普通列車は、戸塚駅の先で渡る。ところが、新宿からの特急踊り子は、横浜駅の手前で渡るのである。渡るポイントを統一しないほうが合理的な理由は何か。これはなかなか楽しめる鉄道パズルだと思う。楽しめるかどうかは人によるかもしれないけど。

この質問は「Yahoo! 知恵袋」に上がっている。しかし、それにつけられた回答は、部分的には正しいけれど、じゅうぶんではない。

まず、戸塚駅で転線することについては、大きな合理性がある。立体交差なので、対向する列車の邪魔をしないという点である。

戸塚駅の前後に立体交差があり、戸塚駅においては、北側から、[1番線]横須賀線上り、[2番線]東海道本線上り、[3番線]東海道本線下り、[4番線]横須賀線下りの順になっている。上り、上り、下り、下りと、向きが揃っているので、転線することによって、対向軌道を横切らない。

一方、横浜駅は、北側から、横須賀線上り、横須賀線下り、東海道本線上り、東海道本線下りの順になっている。二路線が分離し、上り、下り、上り、下りと、互い違いになっている。

横浜駅の手前で、例えば、下り列車が横須賀線から東海道本線に転線する場合、東海道本線の上り線を平面交差で横切ることになる。同時に進入したら衝突しちゃうので、下位の列車が待ってないとならない。

なので、戸塚駅で転線したほうがよいのである。ここまでは「Yahoo! 知恵袋」でも回答されている。

ならば、すべての列車が戸塚駅で転線するようにすればよさそうなものを、なぜ特急踊り子は、わざわざ横浜駅で転線するのか。ここがちゃんと回答できていない。

答え。戸塚駅で減速したくないから。特急踊り子は、戸塚駅には停車しない。ならば、気持ちよく全力疾走で通過したい。ところが、転線するためには減速しなくてはならない。停車しない駅で、転線のためだけに減速するのは、できれば避けたい。横浜駅には停車するためにどうせ減速するので、ついでに転線するのがよい。これが理由。

〈自主制作映画の予告編〉

6月11日(土)に収録に参加させてもらった自主制作映画の予告編がYouTubeに上がった。沢村東次(本名:後藤博茂)監督の『よろず屋探偵談』。私に振られた役は、いかにも怪しい新興宗教団体の教祖様。

フェイスブックでエキストラを募ったところ、集まったメンツが濃ゆいこと濃ゆいこと。本編見るのが楽しみ〜。

[予告編、その1]


[予告編、その2]


[収録風景の写真]
https://goo.gl/photos/WDMNocbTokazFrZWA



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編集後記(01/13)

●宮藤官九郎がどこかのメディアで、一番好きな映画は黒澤明の「どですかでん」だと言ってた。ネタかと思ったら本気だった。わたしはまったく黒澤明を信奉する者ではないが、あんがい見ているほうかもしれない。なぜなら、黒澤作品は図書館のライブラリーに収まっていて借りやすいからだ。黒澤作品は全部で31本らしい。今までそのうち21本を見た。「どですかでん」は1970年制作、黒澤初のカラー作品だ。ちょっと変な少年が「どですかでん、どですかでん」と叫びながら、本人以外は見えない空想の電車を走らせている。そんなシーンを本編の後ろについた予告で見せられると、うーん、見たくないと思ってきた。

しかし、とうとう見てしまった。慶応義塾大学系のサイトに「社会の底辺の人々がもがく貧困と不幸の悲しみのドラマを描きつつ、彼らに温かい視線を向けたユーモアにあふれた作品」という説明があったので、ユーモアだったらまあいいかと思ったのだ。しかし、温かい視線でもユーモアでもなく、見ていてつらい映画であった。やっぱり見ないほうがよかった。「年に一回は絶対に観返します」という宮藤みたいな人もいるけれど、それは好き好きだから別にいいわ。称賛する映画評論家もいるが、それは商売だから別にいいわ。同じ貧困でも黒澤「どん底」は二度見たらかなり面白かった。こっちは二度と見ない。

どこかの貧民窟の住民たちの日常を描いたオムニバス作品である。「どですかでん」少年が主役というわけではない。彼の日常はかなり豊穣である。見たくないと思っていた彼のシーンは、それでもハッピーなほうであった。六ちゃんを演じる頭師佳孝は非常にうまい。いや、ほかの役者たちもすべてがうまい。だが描かれるいくつかのエピソードは、見ていて気分がずーんと落ち込んでくる。常に飲んだくれて女房を交換しあう二人の土工。ふしだら女房が生んだ5人の子を育てる気のいい職人。妻の不貞を知り自から人格を破壊した男。働かず悪態ばかりのアル中・鬼畜叔父に強姦されて孕む、超絶不幸な内職少女。

廃車をねぐらにする乞食の父子。自分は何もせず乞食は息子にやらせて、理想の家造りという妄想に逃げ込んでいる父親。常に新居の設計について、息子に相談している。それしか話題がない。まったく埒もない絵空事に、幼い息子はちゃんと対応しているところが健気だ。その妄想をビジュアライズして、どこが面白いのだ。息子は食中毒にかかり、苦しんだ末死んでしまう。どこがユニークでユーモアあふれた作品だよ。少なくともエンターテインメントではない。興行成績は明らかな失敗。それでも黒澤印は、第44回キネマ旬報ベスト・テン第3位、昭和45年度芸術祭優秀賞。評論家どもは何を見ているんだ。(柴田)

「どですかでん」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00R4LP5GM/dgcrcom-22/



●宵の明星は曇っていて見られなかった……。

/Keepa続き。アマゾンのサイトで商品検索すると、追加情報の上に、期間を軸にした価格変動グラフが表示されるようになった。Adobe CCなら今日の時点で1163日分の情報が出る。

2014年の最安値は42,000円、2015年41,832円、2016年40,000円。ただしこの価格には、プライム会員の「レジにて何%OFF」というのは反映されていないように思う。

年末に39,801円になり思わずツイートしてしまった。買ったばかりだし、またそのうちにと思って流した。そして1月9日には約1時間だが、30,005円になった。10日も2時間ほどだが38,000円に。

どちらもメールを見た時には終わっていたわ。値付け間違ったのか、何かのテストをしているのか、ランキングを上げるためなのか、売り上げノルマがあるのかわからないけれど、結構変動するのだなぁと。

こんな値段にはならないだろうと安く設定しておいた洗剤が、パッケージリニューアルで通知されたりして、重宝しているよ。 (hammer.mule)