もじもじトーク[55]宇宙と文字が好きですか?
── 関口浩之 ──

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もじもじトークの関口浩之です。

僕は「宇宙と文字」が大好きです! たぶん、皆さんも本当は好きなのではないでしょうか??

「宇宙と文字」 この二つは非常に身近な存在です。でも、日頃、あまり気にかけてないと思います。

よくよく考えると、朝起きてから寝るまでの間(寝てる最中も)、私たちは宇宙と文字に囲まれて生活しています。宇宙と文字を目にしない日はないと思います。

実は「宇宙」と「文字」、密接な関係があるんです。宇宙が誕生したのは、約137億年前と言われています。もし、宇宙が誕生していなかったら、文字(記号が体系化されて人々の間で歴史や知恵が共有された)は誕生しなかったと言えます。

そして、文字が誕生したのは、今から4,000〜5,000年前といわれています。メソポタミアの楔形文字、エジプトの神聖文字(ヒエログラフ)、中国の甲骨文字などです。

もし、文字が誕生していなかったら、宇宙の起源の探求、天動説と地動説の論争、太陽系の解明、相対性理論の確立など、実現しなかったと思われます。

こじつけではありません。人類の歴史や英知は、文字を通じて情報を正確に多くの人に共有され、論議され、進化してきたのです。言葉だけは、伝承されることは無理なのです。

最近、「宇宙と芸術展」という、東京六本木で開催されていた展示会に足を運びました。このイベントを通じて、そのことを再認識しました。素晴らしい展示会だったのでレポートしますね。





●「宇宙と芸術展」とは?

六本木ヒルズの森美術館で、2016年7月30日から2017年1月9日まで「宇宙と芸術展」というイベントが開催されてました。

宇宙がテーマだったので、「絶対に行くよ」と意気込んでいたのが昨年の夏。開催期間が長かったので余裕で行けると思ってました。

ある日(2017年1月6日・金曜日)の出来事です。その日は、新宿のオフィスで急ぎの案件対応に追われていました。時計を見ると20時。まだまだ終わりそうもありません。

そのとき「あれっ、宇宙と芸術展っていつまでだっけ?」と、ふと思いました。Googleで調べてみたら「あれっ、あと三日で終了ではないですか」 しかも、次の日からの三連休はイベントでみっちり日程が詰まってました……。

あるあるな出来事でした(笑

でも、開館時間を見てみると、なんと、10:00〜22:00ではありませんか! 「今、会社を出発すれば一時間半、展示会を見学できる。残りの仕事は展示会の後でも大丈夫だよね」と、頭の中で瞬間的にシュミレーションできたので、さっそく行動開始しました。

●近代サイエンスの礎

一番の訪問目的だったのが、レオナルド・ダ・ヴィンチとガリレオ・ガリレイの展示物でした。

15〜16世紀に書かれた天文学のオリジナル手稿が、ガラスケースの中に展示されてました。

木星の衛星の動きを観察した手稿、太陽の黒点の観察の様子が書かれた手稿など、うっとりしながら眺めていたら動けなくなりました。残念ながら写真撮影は禁止でした。

でも、アイザック・ニュートンが17世紀に書いた『自然哲学の数学的諸原理』(Philosophi* Naturalis Principia Mathematica)』の活版印刷初版本と、チャールズ・ダーウィンが執筆した『種の起源』(On the Origin of Species)の1859年初版本は撮影はOKでした。  *はメルマガで表示できない字(ae)

その二つの書物を撮影しました。ジャーン!
https://goo.gl/HGBEm6


紙は古ぼけているけど、書籍の装丁、鋳造活字の書体と組版が美しい。

心と体が数百年前にタイムスリップした感覚でした。できれば中身を見たかったけど、もちろん、ガラスケースにしっかり収められていました。

ニュートンの『自然哲学の数学的諸原理』(単に『プリンキピア』とも呼ばれる)は、天体の運動や万有引力の法則を説明しています。すごく難解なようですが、近代科学における最も重要な著作のひとつと言われています。

書物で書かれていることはとうてい理解できませんが、僕が日頃、天体写真で使っている反射望遠鏡は「ニュートン式」なので、とても親近感を感じる時間でした。

『種の起源』は、誰もが学校で学んで知っているダーウィンの著作です。生物は常に環境に適応するように変化し、種が分岐して多様な種が生じることを説明している進化論のお話です。

もちろん、当時は遺伝子研究はなされてなかったわけで、そんな時代に、仮説・観察して体系化したのは凄いですよね。

どちらも、近代科学(物理学や生物学)の礎になった著作です。

●宇宙人はいるのか?

人類にとって、宇宙は永遠の謎であり、永遠に探求し続けるのではないでしょうか。人工知能(AI)がどんなに進化しても、その答えは出ないような気がします。いやっ、答えが出て欲しくない!

そして、宇宙は古来から信仰の対象になったり、神話や物語でもたくさん登場します。そして、芸術の対象にもなっています。

でも、皆さんが最も気になるのは「宇宙人はいるのか?」「UFOは地球にやって来たのか?」という疑問ではないでしょうか(笑

宇宙と芸術展のイベントでも「新しい生命観─宇宙人はいるのか?」という真面目な(?)テーマゾーンがありました。その展示内容もご紹介しながら、次回は、世界の歴史からみる宇宙人とUFOについてお話したいと思います。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/


1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステム
やプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。

その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。

小さい頃から電子機器やオーディオの組み立て(真空管やトランジスタの時代から)や天体観測などが大好き。パソコンは漢字トークやMS-DOS、パソコン通信の時代から勤しむ。家電オタク。テニスフリーク。